今日から転入生が来るらしいよ、と教室で斎川に教えたのは体育委員長の要敬彦。明るめの髪に黒のインナーカラーを入れている。生徒会執行部のくせに、と風紀委員長にいつも叱られているが、全く気にしていない。
「この時期に入るなんて、なかなかできるやつなんだろうね。まあでも斎川には負けるだろうけど」
夕凪学園の外部転入はかなり難問だ。家柄、経済力、そして本人の学力が必要になる。入学の門すら狭いのに途中から転入となるとさらに難しい。それを乗り越えてきた転入生はどんな生徒なのか。やがて向かえた朝のホームルームで彼が紹介された。
教師と一緒に入ってきたのは、少しウェーブがかった髪の生徒。どんぐりのような大きい目で身長は斎川より少し低いくらいだろうか。
「佑月颯 《ゆうづきはやて》です!」
大きな声で名前を披露した彼。円城寺と同じタイプだなと斎川は苦笑いした。まるで元気な犬のよう。だが要の言っていたようにかなり賢いはずだ。クラスメイトたちも興味津々と言った感じに佑月を見つめていた。
担任から夕凪学園を案内してやってほしいと頼まれた斎川は昼食時間に彼を誘った。大きな窓と食堂にしては広い夕凪学園自慢のカフェテリアにつくと、佑月はキョロキョロと辺りを見渡していた。
「斎川くん、ありがとう。君は誰かと一緒に食べるんじゃなかったの?」
いつもなら円城寺と食べるのだが、今日はこんな予感がしていたから事前に言っておいたのだ。まあこれも副会長の務めだ。
「気にしないでいいよ。ちょうどあの席あいたから行こうか」
日替わり定食のお膳を持ちながら二人は窓側の席に座った。そしてしばらく食べながら雑談を交わす。
佑月は他の私学にいたが、親が引っ越すタイミングで寮生活ができるここを選んだ。難関のはずなのたが、彼にとっては『少し難しく感じた』程度だったという。
「前の学校どこだったか聞いていい?」
「関高校だよ」
全国トップクラスの進学校の名前に、斎川は息を呑んだ。夕凪学園よりずっと今後有利な進学校を蹴っただなんて。斎川の驚きように佑月は笑う。
「斎川君はずっとここ?」
「ああ。中等部から」
「ふぅん。羨ましいな」
(羨ましい?)
ということは、以前から夕凪学園に入りたかったのだろうか。不思議に思いながらも箸を再びすすめようとした時……
「ハヤ!」
「この時期に入るなんて、なかなかできるやつなんだろうね。まあでも斎川には負けるだろうけど」
夕凪学園の外部転入はかなり難問だ。家柄、経済力、そして本人の学力が必要になる。入学の門すら狭いのに途中から転入となるとさらに難しい。それを乗り越えてきた転入生はどんな生徒なのか。やがて向かえた朝のホームルームで彼が紹介された。
教師と一緒に入ってきたのは、少しウェーブがかった髪の生徒。どんぐりのような大きい目で身長は斎川より少し低いくらいだろうか。
「佑月颯 《ゆうづきはやて》です!」
大きな声で名前を披露した彼。円城寺と同じタイプだなと斎川は苦笑いした。まるで元気な犬のよう。だが要の言っていたようにかなり賢いはずだ。クラスメイトたちも興味津々と言った感じに佑月を見つめていた。
担任から夕凪学園を案内してやってほしいと頼まれた斎川は昼食時間に彼を誘った。大きな窓と食堂にしては広い夕凪学園自慢のカフェテリアにつくと、佑月はキョロキョロと辺りを見渡していた。
「斎川くん、ありがとう。君は誰かと一緒に食べるんじゃなかったの?」
いつもなら円城寺と食べるのだが、今日はこんな予感がしていたから事前に言っておいたのだ。まあこれも副会長の務めだ。
「気にしないでいいよ。ちょうどあの席あいたから行こうか」
日替わり定食のお膳を持ちながら二人は窓側の席に座った。そしてしばらく食べながら雑談を交わす。
佑月は他の私学にいたが、親が引っ越すタイミングで寮生活ができるここを選んだ。難関のはずなのたが、彼にとっては『少し難しく感じた』程度だったという。
「前の学校どこだったか聞いていい?」
「関高校だよ」
全国トップクラスの進学校の名前に、斎川は息を呑んだ。夕凪学園よりずっと今後有利な進学校を蹴っただなんて。斎川の驚きように佑月は笑う。
「斎川君はずっとここ?」
「ああ。中等部から」
「ふぅん。羨ましいな」
(羨ましい?)
ということは、以前から夕凪学園に入りたかったのだろうか。不思議に思いながらも箸を再びすすめようとした時……
「ハヤ!」



