耳元で囁かれた言葉を聞いて、喉の奥でヒュッと音がした。
私……妖怪に、売られちゃうの? こんな寒い日に、重い腰を上げて頑張って出勤しようとしただけなのに、ただそれだけなのに。
「おい。待て」
絶望を感じていた私が目線を上げればそこに居たのは、さっき一匹だけ別格に見えた白い狐だった。
若くて張りのある男性の声だ。狐の姿だけだと性別は判別出来ないけれど、この白い狐はどうやら男性らしい。
「妖狐か……いや、人の子が居た。かくりよへ、一歩足を踏み込んでいる。そうなれば、我らの領域に居るということだ。かくりよに迷い込んだ人の子は、早い者勝ち。お主にはこのおなごの所有権はないだろう」
首の長い男のあやかしはそう言い、意見されたことに対し、不満げにふんっと鼻を鳴らした。
かくりよに一歩、足を踏み込んでいる……?
……あ。もしかして、このお天気雪の中で、私は狐の花嫁行列を見えてしまったから……? だから、私は不思議な世界に居るとみなされて……このまま、妖怪に食べられてしまうの?
私……妖怪に、売られちゃうの? こんな寒い日に、重い腰を上げて頑張って出勤しようとしただけなのに、ただそれだけなのに。
「おい。待て」
絶望を感じていた私が目線を上げればそこに居たのは、さっき一匹だけ別格に見えた白い狐だった。
若くて張りのある男性の声だ。狐の姿だけだと性別は判別出来ないけれど、この白い狐はどうやら男性らしい。
「妖狐か……いや、人の子が居た。かくりよへ、一歩足を踏み込んでいる。そうなれば、我らの領域に居るということだ。かくりよに迷い込んだ人の子は、早い者勝ち。お主にはこのおなごの所有権はないだろう」
首の長い男のあやかしはそう言い、意見されたことに対し、不満げにふんっと鼻を鳴らした。
かくりよに一歩、足を踏み込んでいる……?
……あ。もしかして、このお天気雪の中で、私は狐の花嫁行列を見えてしまったから……? だから、私は不思議な世界に居るとみなされて……このまま、妖怪に食べられてしまうの?



