愛され婚活するならお天気雪の日、九尾の妖狐をお相手に。

 私にもし、優秀なスキルがあれば、もっと近場で仕事が探せたかもしれないけれど、ないものはないので仕方ない。

 ああ……バスに乗ったら、スマートフォンに届いてる、いくつかの通知に返信しなきゃ……どうせ上手くいかないだろうと察しているものなので、今後のことを考えると関係を穏便に済ませなければならない。

 目の前には、昨夜から雪が降り積もった白い道。歩いていると視界の中で、ちらちらと雪が降り出して、なんだか違和感があった。

 ……ああ。違和感の理由が、この時にわかった。雪が降っているのに、頭上にあるのは青い空なんだ。

 透き通る青の中から、不思議に降り続く白い雪。おそらくは、お天気雨なのだけど、あまりに気温が低すぎて雪として降ってきているのだろう。

 お天気雨ならぬ、お天気雪。

 これだけ寒いのなら、雨も雪になってしまう。曇天の中で降る雪なら自然だけど、青空の下の白い雪は、とても違和感があった。

 不意に、私の耳には『シャンッ……シャンッ……』と、規則正しい鈴の音が聞こえてきた。