愛され婚活するならお天気雪の日、九尾の妖狐をお相手に。

 もしかしたら、これは人生に何度もない絶好のチャンスかもしれないと思った私は、勢い良く右手を挙げた。

「ん? なんだ。質問か? 良い機会だ。何かあやかしについて知りたいことがあれば、なんなりと教えてやろう」

 銀髪の美青年は余裕あるゆっくりとした動作で茶器を持って、にっこりと微笑んだ。

「狐のお兄さんって、独身ですか?」

 彼はブフォッと変な音を立ててお茶を噴き出し、あまりに驚いたせいか、頭の上には狐の大きな耳がぴょこっと現れて、そして……消えた。

 え……すごい! 獣耳って、出したり消したり出来るんだ。いえいえ。今は人に化けているだけで、彼はあやかしなのよ。そんなことで驚いている場合ではないわ。

 私はこの彼には、色々と聞きたいことが、あるんだから。

「……なっ……何を言い出す……まだ、俺は嫁取りはしていないが?」

 けほけほと小さく咳き込みながら、お兄さんは言った。私はそれを聞いてほっと安心し、胸に手を当てた。