『バズらない僕と、最強フォロワーの彼女』

再生回数、0。
コメント、0。
同接、1(たぶん自分)。
朝霧湊は、ため息を吐いた。
「……まあ、今日も平和だな」
画面の向こうは静まり返っている。
異能配信が当たり前になったこの世界で、
“能力なし”の自分が注目されるわけがない。
能力者は、光る。
雷を落とし、炎を操り、空を飛ぶ。
自分は――何もできない。
だけど、それでも配信をやめなかった。
理由は、ただ一つ。
“いつか、誰かが見つけてくれるかもしれない”と
ほんの少しだけ、信じているから。
その日、チャット欄に一行の文字が流れた。
【Shirayuki_Rin:はじめまして】
世界が、静かに軋んだ。