布団の中。
制服を着たまま潜り込んでいる。
スマホをいじっても、何の快楽も得られない。意味がない。
どうしても凛帆とのトーク画面を開いてしまう。待っても待っても読んでもらえない、返事が来ない。
画面を指でなぞったとしても何も変わらないのだ。
意味が、ないのに。
土曜日に投稿した動画に戻ってきた。再生数はどのぐらいまで上がっているのだろうか。
「今か、、」
再生数がどんどん伸びている。
一緒に見たかった。この再生回数。
地球が終わる日まで、ずっと見ていたかった。
どんどん増えてゆく再生回数。止まらずに増え続ける。
「ねえ、めっちゃ伸びてるよ。」「ほんとだ。」
そう言い、微笑むんでしょ。私の前で、穏やかに笑うんでしょ。
――そのはずだった。
凛帆、動画伸びてるよ。
コメントもたくさん来ていてさ
日本だけじゃなくて、海外からも来ているの
これ、すごいことよ。
「上手」
「また見たい」
「地球の終末を彩ってくれている」
「私もダンスしてみようかな」
「見てて楽しいな」
また撮らない?
明日、学校に来てよ。
明日こそは、私、行くから。
動くわけの無いトーク画面に言葉を並べる。
届かない言葉たちが私のことを苦しめる。
ピコン。
「え」
凛帆、、
凛帆からだ。
希咲ちゃん。
凛帆の母です。
無理やり葬式に誘っちゃってごめんなさい。
凛帆の部屋から希咲ちゃんに渡したいものが見つかって
もし、来ることが出来そうだったら
明日、家に来てね。
無理は、しないでね。
凛帆ママからか。
凛帆なわけないよね。
どうしよう、明日。
また泣いちゃう。
私に渡したいもの、なんだろう。
そんなもの、用意していたのか。
もう、眠いな。
今日は、寝てみよう。
スマホの電源を落とす音が響いた。



