いずれ、終われますように。


 今日もいつも通り一日が終わった。


 授業中、ずっと考えてた。

 凛帆(りほ)の夢を叶える方法。

 これでいいのか私にはわからないけど、親友の幸せは私の幸せだった。
 自分の夢が叶えられるだけじゃ意味がなかった。

「ねぇ、SNS始めない?」

 帰り道。朝よりも空はもっと暗くなった。
 どんよりとした空。どんよりとした二人の間の空気。

「もう世界は終わるのに?」

 ハテナにハテナを返されては困ってしまうな。

「だって、時計は機能しないけど、インターネットは使えるじゃん? それなら、世界中の人に見てもらおうよ。ダンス」

 なぜか時計だけ影響を受けた地球。
 SNSや電波は当たり前のように機能する。

「こんな時までSNS見る人なんていないでしょ」

「私がいる。しかも、結構いるもんよ。世界が終わろうとしてもネット社会にすがってる人」

 使えることは不思議ではあるが、当たり前のことだから当たり前のように使っている人がいる。朝見ていた時、しっかり動いていた。

「でも、私、高校生なるまでSNS入れちゃだめって言われてるんだよ。多分、この状況下でもだめ。むしろ余計ダメ」

 確か、凛帆(りほ)の家はSNSについて厳しかった。スマホについて明確にルールがあるぐらい。
 でも、そういうのは元々わかっていた。

「それなら、私のアカウントでやろ」

「なんで?」

 乗り気じゃないんだな。表情見れば、何となく察せる。

「そっちは夢叶うじゃん。別に私のことなんてどうでも良くない?」

「なんでそっちの思考に行くのかな」

「だって、私が夢叶える時は世界が滅亡しなかったとき。そしたら希咲(きさき)、夢、叶えられないよ。いいの?」

 訴えかけられても響かなかった。もう、決めていたのだから。

「私、そんな思ってるほど自己中じゃないよ。自分で言うのもおかしいけどさ。少しだけでも夢に近づいてほしいの。もう、可能性が低いのは事実だけど、その中で近しいことを叶えたいよ。凛帆(りほ)の夢は私の夢」

「命を軽視している人が言っていいセリフじゃない気がするな」

「思った」

 的確な突っ込みだ。

「ねえ、運営とか、任せていいの?」

 口をとんがらせ、首を傾げた。

「もちろん。踊っててくれればいい」

 少し黙った後のこと。

「わかった」

「決まりね」

 ポツ、ポツ。
 雨だ。

「やばい。濡れる」

「急げ」

 必死に雨宿りできそうなところを探す。走る。

 ここだけはやっぱり日常で。日常でしかない。そう思う。