雨があがっても、君のとなりで

午前中の授業が終わり、お昼休みになった教室はがやがやとさわがしい。

蓮は購買で買ったサンドイッチ、悠真は自作のお弁当をならべ、一つの机に向かい合って座る。


「いただきまーす」


蓮は大好きなサンドイッチを口いっぱいに頬張った。


「蓮って、好きなものだとリスみたいに食べるよな。ほっぺたぷくぷくになってるぞ」


悠真がイタズラっぽく笑って蓮の頬をツンツンとつつく。


「子供扱いするなよ」


「ごめんごめん。可愛すぎて、つい」


「俺は可愛くなんかない!」


むくれた顔で反論するが、それでも悠真は譲らない。


「いや、蓮は可愛いよ」


「……あっそ」


真面目な顔で言い切る悠真に、蓮は言い返せなくなってしまった。


「そういえば、今日デザートあるんだよね」といって、蓮は保冷バックを漁る。


「母さんが職場でもらってきた、プリン」


悠真が取り出したのは、高級ブランドのものだった。


「よかったじゃん」


そっけなく答えながらも、蓮の目は悠真のプリンに釘付けだ。


プリンは蓮の大好物で、悠真が手にしているプリンだって、食べてみたくて仕方がない。


「蓮も食べたい?」と聞かれ、蓮は慌ててプリンから目を逸らす。


「いや、いいよ。悠真のだろ」


予想通りの答えに、悠真はくすっと笑った。


「じゃあ一口だけ。ほら、口開けて」


悠真はプリンを一口分すくいあげて、蓮の口の前へと持ってくる。


蓮は遠慮がちに口を開けて、悠真の持つスプーンからプリンを食べた。


普段なら恥ずかしがっているところだが、今は大好きなプリンに夢中で、そんなことには気づいてもいない様子だ。


口の中に広がるとろけるような甘さを、頬を手に当てて味わっている。


まるで幼い子供みたいだ。


(こういうときはわかりやすいんたよなぁ)