雨があがっても、君のとなりで

悠真は蓮のもとへ駆けつけると、蓮のからだを抱きしめ、必死に背中をさすった。

「蓮、大丈夫。大丈夫だから」


悠真が呼びかけているが、蓮の耳には届いていない。


「やだ、置いて行かないで……」


涙や鼻水で顔がぐしゃぐしゃになって、全身にぐっしょりと汗をかいている。


「蓮、落ち着いて。ゆっくり息吸って」


何度も悠真に呼びかけられ、ようやく呼吸が安定してきた蓮。


それでも涙は止まることなくボロボロと流れ、からだは震え続けている。

「ゆ……ま……」

そうして、どれだけの時間が過ぎただろう。

涙を流しきり、体力も限界を迎えた蓮は電池が切れたようにコトンと眠りに落ちた。

ぐったりとした蓮のからだが、悠真の胸にもたれかかっている。


悠真は汗や涙でびしょびしょになった蓮の親からだを拭き、新しい服を着せてやる。

蓮を置いて買い物へ行ったことを後悔する悠真。

「蓮、ごめん。ひとりにして」

蓮を抱えこむように抱きしめ、頭をなでる。

「怖かったな。苦しかったな。ほんとにごめん」

蓮の隣に横になった悠真は、その後何度お腹が鳴っても、部屋を出て食事をとるとはなかった。


しだいに雷鳴は遠ざかり、雨の匂いだけが残っていた。