雨があがっても、君のとなりで

どれだけの時間が経ったんだろう。

急に雨音が聞こえなくなって、代わりにざわざわと話し声が聞こえる。

顔を上げてあたりを見回すと、そこは高校の体育館だった。

バスケットボールを持った悠真が、クラスの女子たちに囲まれて楽しそうに話している。

悠真を見つけて、蓮はほっと胸を撫で下ろす。

少しでも早く話がしたくて、悠真に駆け寄った。

ところが、蓮に声をかけられた途端、女子たちに向けていた笑顔が一瞬で消えた。

悠真の冷たい視線に、ひゅっと息を飲んだ。

今まで向けられたことの無い表情に、ざっと背中が凍る。

「お前さ、いつまで俺といるつもりなんだよ」

「……え?」

悠真が蓮のことを『お前』なんて呼ぶもの、突き放すような口調で話すのも初めてだった。

ますます混乱した蓮は、返す言葉が見つからない。

「お前と付き合ってるせいで、お前なんかよりずっとかわいくてしっかり者の女の子たちと付き合えないんだよ」

「そんな……」

打ちひしがれている蓮に、悠真はさらに残酷に言い放つ。

「あーあ、お前なんて、いなければ良かったのになー」

その一言で、閃光が走ったように、蓮の視界が白く光る。

悠真がどんどん遠くに離れていく。

追いかけたいのに、からだ中に雷が落とされたような衝撃が走って動けない。

バリバリッと鋭い音が鳴り響いた瞬間、蓮の心も一緒に裂けたような気がした。

そして、だんだんと意識が遠のいていく————-