客が来てると柴田がいう。
何用だとため息をつくと先輩であり上司である南風が少年課に来た。
子供達のヒーローである彼。
「先輩!?え、なんで?」
「少し、調べて欲しいことがある」
「南風さん、休職中でしょう?回復の目処が立ってないって以前、代理から聞きましたよ」
「『光里村』について調べてほしい。……あ」
俺の話には興味がないらしい。
あくまで仕事の依頼だということか。
ホワイトボードに目をつけた南風が俺を一瞥した。
「先に調べているとは、腕を磨いたな」
「いや、これは事件の一環で調べてるだけです」
「事件?」
「上司とはいえ、休職中のあなたには何も答えられませんよ」
残念ですが、と付け加える。
しかし、ふと思い出して、柴田に目線を送る。
気づいていたらしい。
「南風さんって、お子さんいましたよね。南風夕陽」
「あ、あぁ。それについて調べてほしい」
「いや、いくらなんであなたの方が知ってる。それより、夕陽さんの周りで事件が起きてる。夕陽さんの友達である春正さんは事故にあった時、誰かに押されたような動きを見せてる。そして、夕陽さんの弟くんも自転車で横転して頭を打った」
警察は身内の調査をできない。
「夕陽に、友達がいたのか」
「……あの、仕事バカになるのは勝手ですけど、感傷に浸るのは後にしてください。大人なんですから」
「……」
悲しそうな顔をする南風を初めて見た気がした。
休職前は、事件を調べて子供が生活しやすい治安のためにと奮闘していた。
今はそんな姿もなく、なんだか幼い子供のように見える。
上司の弱っている姿を見たくなかったと思う自分もいた。
「南風さん、出身地である『光里村』について教えてください。あなたの子供は、あなたと違って死を恐れていない。聞く情報によると以前、『光里村』を図書館で調べて、現地に向かったという話がある」
「……」
「何か物知り顔ですね。会いましたか、息子さんに」
「……時間が欲しい」
と、扉へと向かっていく南風。
「時間なんてないですよ、あなたの息子さん目を覚まさなくなってどれだけ時間が経ったと思っているんですか」
「……」
歩を止めた彼。
柴田が扉の前で立ち阻む。
「君は、随分と腕を上げたな」
「今のあなたに褒められても嬉しくありません」
「そうか」
口を開いた刹那、受話器がなった。
手に取り耳に当てる。
事件の詳細に耳を疑った。
やはり、南風夕陽の周りで事件が起きている。
「柴田!車を出せ!」
二つ返事で彼女は、足早に出ていく。
「南風さん、あなたにもついてきてもらいます」
あんたが心を閉ざせば閉ざすほど、君の息子も心を閉ざしてしまう。
「これ以上、あんたの息子を独りにするな」
ハッと顔を上げた南風。
子供じゃないんだぞと言いたくなる口を抑え、二人、歩を進めた。
何用だとため息をつくと先輩であり上司である南風が少年課に来た。
子供達のヒーローである彼。
「先輩!?え、なんで?」
「少し、調べて欲しいことがある」
「南風さん、休職中でしょう?回復の目処が立ってないって以前、代理から聞きましたよ」
「『光里村』について調べてほしい。……あ」
俺の話には興味がないらしい。
あくまで仕事の依頼だということか。
ホワイトボードに目をつけた南風が俺を一瞥した。
「先に調べているとは、腕を磨いたな」
「いや、これは事件の一環で調べてるだけです」
「事件?」
「上司とはいえ、休職中のあなたには何も答えられませんよ」
残念ですが、と付け加える。
しかし、ふと思い出して、柴田に目線を送る。
気づいていたらしい。
「南風さんって、お子さんいましたよね。南風夕陽」
「あ、あぁ。それについて調べてほしい」
「いや、いくらなんであなたの方が知ってる。それより、夕陽さんの周りで事件が起きてる。夕陽さんの友達である春正さんは事故にあった時、誰かに押されたような動きを見せてる。そして、夕陽さんの弟くんも自転車で横転して頭を打った」
警察は身内の調査をできない。
「夕陽に、友達がいたのか」
「……あの、仕事バカになるのは勝手ですけど、感傷に浸るのは後にしてください。大人なんですから」
「……」
悲しそうな顔をする南風を初めて見た気がした。
休職前は、事件を調べて子供が生活しやすい治安のためにと奮闘していた。
今はそんな姿もなく、なんだか幼い子供のように見える。
上司の弱っている姿を見たくなかったと思う自分もいた。
「南風さん、出身地である『光里村』について教えてください。あなたの子供は、あなたと違って死を恐れていない。聞く情報によると以前、『光里村』を図書館で調べて、現地に向かったという話がある」
「……」
「何か物知り顔ですね。会いましたか、息子さんに」
「……時間が欲しい」
と、扉へと向かっていく南風。
「時間なんてないですよ、あなたの息子さん目を覚まさなくなってどれだけ時間が経ったと思っているんですか」
「……」
歩を止めた彼。
柴田が扉の前で立ち阻む。
「君は、随分と腕を上げたな」
「今のあなたに褒められても嬉しくありません」
「そうか」
口を開いた刹那、受話器がなった。
手に取り耳に当てる。
事件の詳細に耳を疑った。
やはり、南風夕陽の周りで事件が起きている。
「柴田!車を出せ!」
二つ返事で彼女は、足早に出ていく。
「南風さん、あなたにもついてきてもらいます」
あんたが心を閉ざせば閉ざすほど、君の息子も心を閉ざしてしまう。
「これ以上、あんたの息子を独りにするな」
ハッと顔を上げた南風。
子供じゃないんだぞと言いたくなる口を抑え、二人、歩を進めた。



