今日も、明日も。

私がきっぱり言うと、彼は「分かった、呼び捨てな」と苦笑いを浮かべた。
店内には他に誰もいない。回っているドラムが三箇所、誰かの持ち物のオレンジ色のバスケットが、ランドリーバスケットの中に一つ置いてある。
会話が途切れた空間を店内にうっすら流れる、今流行りのJポップーー音楽に疎い私でもCMで何回か聞いた覚えのあるーーが耳に心地よく聞こえてくる。
いつもは乾燥が終わるまで家に帰るため黙々と店を出ていくのだが、今日は他に客もいないし、なにより二人きりの空間に気まずさや緊張を感じた。
「では乾燥が終わった頃にまた来ます」口の中がカラカラに渇いていたが、そう言葉を発する。
「ああ、さっき言いかけたことだけどさ。この時期は冬になるにつれ、だんだん静電気が起こるから気をつけてな。あと、」
日川さんはそこで少し言い難くそうに言葉を切った。
そして首の後ろに手を遣りながら、
「乾燥や洗濯機が終わった時とかの連絡に便利だから、電話番号を教えてくれる?」