正直どう答えるのが正解か解らない。だけど私は彼から目を逸らさず、両手の拳を握り締めると口を開いた。
「……高校時代に先生のことが好きでした。でも現在は恋愛感情はありません」
「本当か……?」
いつもより低い彼の声に、私は首を縦に振る。先生と再会して気がついた。
先生への恋愛感情は過去のものだ。今は優斗さんだけが愛おしいーーこれからもずっと、永遠に。優斗さん以外を好きになり、愛するなんて考えられない。
彼に誤解されたくないし、傷つけたくなかった。何も言わなくなった彼に不安感を覚えた、その時。
「……!」
優斗さんの顔が視界いっぱいに広がったと思った途端、唇が生暖かいもので塞がれた。思わず目を見開き、頭の中が混乱して上手く状況を理解できない。
暫くして唇から熱と圧迫が離れたと思った瞬間、優斗さんの顔全体が見えた。頬が濃紅色に染まり、熱を孕んだ栗色の瞳は斜め下を向いている。
「あ、あの優斗さん……こんな外でキス、」
「悪い。あの先生に杏奈ちゃんを取られるかと思ってたから……我慢できなかった」
彼の言葉に、心臓を掴まれたように胸が苦しくなる。だけど次の言葉が言えない代わりに今度は、私からキスをしようと背伸びした。そして優斗さんの黒いダウンジャケットの袖を両手で掴む。
目を閉じた私に未来は見えないが、どうか一分一秒でも優斗さんの傍に居られるよう、強く誓った。
おわり
「……高校時代に先生のことが好きでした。でも現在は恋愛感情はありません」
「本当か……?」
いつもより低い彼の声に、私は首を縦に振る。先生と再会して気がついた。
先生への恋愛感情は過去のものだ。今は優斗さんだけが愛おしいーーこれからもずっと、永遠に。優斗さん以外を好きになり、愛するなんて考えられない。
彼に誤解されたくないし、傷つけたくなかった。何も言わなくなった彼に不安感を覚えた、その時。
「……!」
優斗さんの顔が視界いっぱいに広がったと思った途端、唇が生暖かいもので塞がれた。思わず目を見開き、頭の中が混乱して上手く状況を理解できない。
暫くして唇から熱と圧迫が離れたと思った瞬間、優斗さんの顔全体が見えた。頬が濃紅色に染まり、熱を孕んだ栗色の瞳は斜め下を向いている。
「あ、あの優斗さん……こんな外でキス、」
「悪い。あの先生に杏奈ちゃんを取られるかと思ってたから……我慢できなかった」
彼の言葉に、心臓を掴まれたように胸が苦しくなる。だけど次の言葉が言えない代わりに今度は、私からキスをしようと背伸びした。そして優斗さんの黒いダウンジャケットの袖を両手で掴む。
目を閉じた私に未来は見えないが、どうか一分一秒でも優斗さんの傍に居られるよう、強く誓った。
おわり

