今日も、明日も。

あとに残された二人きりの空間に一瞬静寂が流れたが、優斗さんが大きく一歩踏み出し、こちらに近づいたーーと思った途端、腕をぐっと掴まれる。
「え、優斗さん……!?」
突然の行動に戸惑う間もなく、彼はずんずん歩いていく。腕を強く掴まれたまま歩き出され、私は引きずられるように後を追った。洗濯剤の売り場がだんだん遠ざかっていくのをただ黙って見ているしかなかった。

ホー厶センターの自動扉を出てからも彼は黙ったまま歩き続けている。
「ちょ、ちょっと待ってください優斗さん……止まってください」 
さっきから二、三度声をかけても彼が立ち止まりこちらを向く気配がない。だけど腕は放してくれない。
ホー厶センターからはみるみる離れていき、もと来た道を逆戻りしていく。
胸の奥深くで、優斗さんへの不安感や少しの恐怖感が浮かび、思わず唾をごくりと呑み込んだーーその時、彼がふいに立ち止まった。
「……杏奈ちゃん」 
そして私と向かい合う。彼の表情は先ほど春川先生へ向けたものより少し和らいでいたけれど、いつもより顔つきが強張っている。
真剣な優斗さんの視線に真っ直ぐ見つめられ、色んな意味で心臓の鼓動がドクドクと早く脈打つ。
「さっきの先生のこと好きなの?」