今日も、明日も。

売り場に着くと、開放感のある店内に似合うような清潔感のある白っぽい売り場にカラフルな洗濯剤や柔軟剤のボトルがきちんと並んでいた。ほんのりと甘い匂いが漂うのは柔軟剤のサンプルがあるからだろう。
「相変わらず綺麗に並んでいますね」
わずかに気まずさが漂う沈黙を先に破って言った。
「ああ。見ているだけで明るい気持ちになれるなぁ」
のんびりした柔らかい口調で返しながら、優斗さんはさっそく片膝をついて棚のボトルに見入っている。
そんな彼の姿がどこか可愛く、とても愛らしい気持ちが胸に込み上げ、自然と頬が緩む。数秒、彼の横顔を盗み見た後、私も屈んで棚のボトルを見ていく。
値段やデザイン、謳い文句やウリはそれぞれメーカーによって違うため見ているだけで楽しいし、コンビニの仕事の参考にもなる。
何気なく紫色のボトルを手に取ろうと、ボトルに手が触れた瞬間ーー
「あっ、すみません」
大きくて筋張った男性の手とかち合い、咄嗟に手を引っ込める。
「こちらこそすみません」 
顔を見て謝ろうと、相手の顔を見た途端。目の前の男性が優しげな笑みを携えて口を開いた。
「もしかして杏奈さん?」
聞き覚えのある穏やかで優しい声、見覚えのある黒色の短髪とネクタイをきちっと締めた紺色のスーツ姿。
「春川先生……」