今日も、明日も。

「い、いえ。なんでもありません」
素っ気ない返事だと自分で自分に落ち込みつつ、先ほど案内された通りに店の左奥へ向かう。
店内に並ぶ大小のドラム、スニーカーの洗浄機、柔軟剤のほんのりと甘い匂い。
一週間と数日、ほとんど毎日通うように此処に来ているが、私はこのコインランドリーの全てが好きだ。
だって彼がーー日川さんが店長をしているから。

彼を店で見た最初から正直、少し一目惚れだった。あまり一目で異性に惹かれることはなかったが、優しい雰囲気に「ちょっと気になるな」と、彼に興味をもった。
私の他人(ひと)をみる目は的中したのか、彼は高齢者には勿論、大人から子供まで誰にでも平等に優しかった。
気がつけば私は、日川さんを本気で好きになっていた。
そうして、いつしか仕事が終わるとコインランドリーに行くのが日課になった。
彼の柔らかで優しく、全てを包み込むような笑みや口調、存在全てが心を癒してくれた。
下段のドラムの前に膝をつき、扉を開けるとランドリーバッグの中身を左手でドラム内に入れる。
洗濯物を全て入れ終えてから扉を閉めると、左横にあるスイッチの上に百円玉を二枚続けて入れた。ヂャリンヂャリンと小銭が落ちる音がして、ドラムの中が回りだす。