[LINE]
松平:入った
木田:気をつけてくださいね
松平:前来た時と変わってない
松平:雨戸閉めっぱなしで真っ暗
松平:2階上がった。子供部屋入る
木田:2冊目ありそうですか?
松平:1冊目は机の上にあった
松平:他は見てない
松平:探す
木田:はい
(23分間既読なし)
木田:松平さん?
木田:大丈夫ですか?
松平:あった
木田:え、本当に?
松平:押入れの奥
松平:前回は気づかなかった
松平:変なものがある
木田:なんですか?
松平:人形
松平:泥の
松平:6体並んでる
松平:日記の下にあった
松平:6体ある
松平:[写真]
木田:なにこれ
木田:え、待ってください
木田:一体、顔ないですよ
木田:出てきたほうが良くないですか
木田:松平さん
木田:なんかやばくないですかそれ
木田:松平さん?
木田:ちょっと
木田:返信ください
木田:発信 キャンセルされました
木田:え、ちょっと
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:松平さん
木田:出てください
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:電話出てください
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信
(通話)
「あ、松平さん! 大丈夫ですか?」
「……だいじょうぶだよ」
(くぐもったような小さな笑い声)
「……松平さん、ですよね?」
(通話切断)
[録音データ 車内]
木田:もう! 本当にびっくりしたんですからね!
松平:悪い悪い。真っ暗だったからさ、階段降りるとき手探りで。
木田:心臓止まるかと思いましたよ!
松平:大袈裟だな。モバ充あるか? とりあえずスマホ充電させてくれ。
木田:大袈裟じゃないですから! あの写真見た後に連絡途絶えたら誰だって焦りますよ。
松平:まあ、確かにあれは気味悪かったな。前回は押入れの中まで見なかったから。
木田:人形、持ってこなかったんですか。
松平:写真だけにしておいた。三十年前の泥人形だぞ。触った瞬間に崩れ落ちるだろ。
木田:ですよね。でも本気で怖かったです。やっと電話出てくれたと思ったら、「だいじょうぶだよ」なんて、たどたどしい言い方しちゃって……。
松平:電話? 出てないぞ。
木田:え……って、またまたぁ。俺を怖がらせようとして。
松平:……あの泥人形の写真を送ったらバッテリー切れになった。
木田:え……。
松平:だから真っ暗な中……手探りで、階段を降りた。
木田:それじゃ、あれは……。
(沈黙)
木田:……俺の気のせいですよね。お腹空いてたから、幻聴です。うん、きっとそうだ。
松平:……ならいい。とにかく、2冊目だ。
木田:ですね……今、読みますか?
松平:いや、どこか落ち着けるとこに移動しよう。
木田:あ、松平さん、電話。
松平:ん? ……知らない番号だな。
松平:はい、松平です。
松平:ああ、さっきの……ええ、はい。
松平:はい、はい。誰にも見られないところで……?
松平:わかりました、大丈夫です。30分後、隣町のファミレスですね。では後ほど。
木田:誰ですか?
松平:さっきの娘さんだ。マサミさん。
木田:え、どうやって番号——。
松平:さっき、帰り際に何か言いたげだったから名刺を渡したんだ。人目のないところで話したいことがあるそうだ。
木田:この人、何か知ってるんですかね。
松平:ああ……俺にもやっと運が回ってきたかもしれないな。
(録音終了)
松平:入った
木田:気をつけてくださいね
松平:前来た時と変わってない
松平:雨戸閉めっぱなしで真っ暗
松平:2階上がった。子供部屋入る
木田:2冊目ありそうですか?
松平:1冊目は机の上にあった
松平:他は見てない
松平:探す
木田:はい
(23分間既読なし)
木田:松平さん?
木田:大丈夫ですか?
松平:あった
木田:え、本当に?
松平:押入れの奥
松平:前回は気づかなかった
松平:変なものがある
木田:なんですか?
松平:人形
松平:泥の
松平:6体並んでる
松平:日記の下にあった
松平:6体ある
松平:[写真]
木田:なにこれ
木田:え、待ってください
木田:一体、顔ないですよ
木田:出てきたほうが良くないですか
木田:松平さん
木田:なんかやばくないですかそれ
木田:松平さん?
木田:ちょっと
木田:返信ください
木田:発信 キャンセルされました
木田:え、ちょっと
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:松平さん
木田:出てください
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:電話出てください
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信 キャンセルされました
木田:発信
(通話)
「あ、松平さん! 大丈夫ですか?」
「……だいじょうぶだよ」
(くぐもったような小さな笑い声)
「……松平さん、ですよね?」
(通話切断)
[録音データ 車内]
木田:もう! 本当にびっくりしたんですからね!
松平:悪い悪い。真っ暗だったからさ、階段降りるとき手探りで。
木田:心臓止まるかと思いましたよ!
松平:大袈裟だな。モバ充あるか? とりあえずスマホ充電させてくれ。
木田:大袈裟じゃないですから! あの写真見た後に連絡途絶えたら誰だって焦りますよ。
松平:まあ、確かにあれは気味悪かったな。前回は押入れの中まで見なかったから。
木田:人形、持ってこなかったんですか。
松平:写真だけにしておいた。三十年前の泥人形だぞ。触った瞬間に崩れ落ちるだろ。
木田:ですよね。でも本気で怖かったです。やっと電話出てくれたと思ったら、「だいじょうぶだよ」なんて、たどたどしい言い方しちゃって……。
松平:電話? 出てないぞ。
木田:え……って、またまたぁ。俺を怖がらせようとして。
松平:……あの泥人形の写真を送ったらバッテリー切れになった。
木田:え……。
松平:だから真っ暗な中……手探りで、階段を降りた。
木田:それじゃ、あれは……。
(沈黙)
木田:……俺の気のせいですよね。お腹空いてたから、幻聴です。うん、きっとそうだ。
松平:……ならいい。とにかく、2冊目だ。
木田:ですね……今、読みますか?
松平:いや、どこか落ち着けるとこに移動しよう。
木田:あ、松平さん、電話。
松平:ん? ……知らない番号だな。
松平:はい、松平です。
松平:ああ、さっきの……ええ、はい。
松平:はい、はい。誰にも見られないところで……?
松平:わかりました、大丈夫です。30分後、隣町のファミレスですね。では後ほど。
木田:誰ですか?
松平:さっきの娘さんだ。マサミさん。
木田:え、どうやって番号——。
松平:さっき、帰り際に何か言いたげだったから名刺を渡したんだ。人目のないところで話したいことがあるそうだ。
木田:この人、何か知ってるんですかね。
松平:ああ……俺にもやっと運が回ってきたかもしれないな。
(録音終了)
