短歌じゃないけど



 棹立ち坊やに窓から振る手
 石柱並ぶ中のあの妓女
 玄きこうずに伏しなるなか、
 眠りなか、きこゆる棹歌
 まなこひらいて、おき、
 暗店に訪ねる客の相手し
 夜をすすめゆく
 私の、ありし日
 格子戸の玄関の前に猫が鎮座して、 
 訪う私に楼主のような佇まいできかした

 (題: 訪う)