そのニュースが報じられた後、私はコタローくんに連絡を取った。
すぐにリモートで話そうということになったが、お互いの予定が合わず、結局1週間後になった。
『えらいことになっちゃったすね』
「えらいことになりましたね……」
春にしては薄寒い夜。
開口一番、コタローくんと無意味にぼやき合った。
「やはり赤雪モカは、ドタキャンした日にはもう拉致されてたんですね」
ノンアル飲料を飲みつつ、横目でネットを見る。
犯人の名前は湯山未喜男。
年齢は三十代後半。職業は区役所員。
郊外の過疎化が進む住宅街で、親の遺産である一軒家で一人暮らし。
およそ2週間前に、内臓損傷により死亡。
『内臓損傷って言い方になるんすね。
どっかのサイトがお漏らしして、とっくに正確な死因が広まってんのに』
湯山未喜男は、心臓が破裂して死んでいた。
外傷も出血も一切ない状態で、体内の――肋骨に守られているはずの心臓が、まるで握り潰されたリンゴのようにぐちゃぐちゃになっていたという。
「そりゃ……そんなゾルディック家に暗殺されたような死因、公のテレビじゃ流せませんよ……」
有名な少年漫画に出てくる殺害方法が勝手に浮かぶ。
コタローくんが続けた。
『しかも死亡現場のリビングが、完全に密室だったと』
湯山家は、玄関だけでなく、すべての窓と内扉に頑丈な鍵が複数ついていた。
セキュリティ会社と契約して、防犯センサーまで取りつけていたそうだ。
それが赤雪モカが――監禁している推しが逃げないための措置なのだと思い当たり、改めてゾッとした。
だがそのおかげで、地下室に閉じ込められていた彼女への容疑は晴れたのだが……
『あの、すみません』
「はい?」
『この件に関して、もいっちょ仮説を話してもいいっすか』
返事をする前に、コタローくんが言った。
『あの動画は――本当に呪いの動画だった、という仮説です』
すぐにリモートで話そうということになったが、お互いの予定が合わず、結局1週間後になった。
『えらいことになっちゃったすね』
「えらいことになりましたね……」
春にしては薄寒い夜。
開口一番、コタローくんと無意味にぼやき合った。
「やはり赤雪モカは、ドタキャンした日にはもう拉致されてたんですね」
ノンアル飲料を飲みつつ、横目でネットを見る。
犯人の名前は湯山未喜男。
年齢は三十代後半。職業は区役所員。
郊外の過疎化が進む住宅街で、親の遺産である一軒家で一人暮らし。
およそ2週間前に、内臓損傷により死亡。
『内臓損傷って言い方になるんすね。
どっかのサイトがお漏らしして、とっくに正確な死因が広まってんのに』
湯山未喜男は、心臓が破裂して死んでいた。
外傷も出血も一切ない状態で、体内の――肋骨に守られているはずの心臓が、まるで握り潰されたリンゴのようにぐちゃぐちゃになっていたという。
「そりゃ……そんなゾルディック家に暗殺されたような死因、公のテレビじゃ流せませんよ……」
有名な少年漫画に出てくる殺害方法が勝手に浮かぶ。
コタローくんが続けた。
『しかも死亡現場のリビングが、完全に密室だったと』
湯山家は、玄関だけでなく、すべての窓と内扉に頑丈な鍵が複数ついていた。
セキュリティ会社と契約して、防犯センサーまで取りつけていたそうだ。
それが赤雪モカが――監禁している推しが逃げないための措置なのだと思い当たり、改めてゾッとした。
だがそのおかげで、地下室に閉じ込められていた彼女への容疑は晴れたのだが……
『あの、すみません』
「はい?」
『この件に関して、もいっちょ仮説を話してもいいっすか』
返事をする前に、コタローくんが言った。
『あの動画は――本当に呪いの動画だった、という仮説です』



