君と会った、その日から

4君と自分の境界線
「美羽、莉緒〜!話聞いてくれる?」
「いいよ〜どうしたの?咲希」
「恋愛系の相談なら頼ってもい〜からね」
莉緒に恋愛系の相談なことを見抜かれてしまった気がした。
「最近、悠に話しかけてるよね。恋愛系だったり」
「ふたりともなんで分かるの〜!今、魂抜けそうなのに〜」
ぐったり、と莉緒の机に顔を伏せる。
「なんか笑えるかも」
「笑わないでよぉ〜でさ、最近―…」
『悠〜これからよろしく!』
『よろしく…』

『悠、ここの問題分かる?』
『バカなの?ここくらい簡単でしょ』

『悠、また明日〜!』
『じゃあねおバカさん?』
『もうっ!私の気持ち気づいてないくせに』

「―ってことがあって〜!意地悪すぎる〜っ」
「大変だったね。大丈夫だった?」
美羽が慰めてくれたにも関わらず。
絶対に言えない事があった。
まるで悠と私の間に境界線が引かれたみたいな言葉。

『もうかまわないでくれる?』

たった一言なのに。
頭を殴られたような。叩かれたような。
初めての感覚だったし、初めての気持ちだったんだ。
もうこの傷は癒えないと思う。
本当は、この気持ちも共感してほしくて。
けど、言えなかった。

翌日

「悠、おはよ」
話しかけても。
「…」
返事を返してくれなくなった。
本当に今の自分でもいいのかな。
本当は悠のタイプのメイクしたいんだけど…
分からないから、今日はフローラのラベンダーパープルをベースにした。
フローラのコスメは可愛くて、名前も気に入ってるの。
今日は落ち着いた紫色メイクをベース。
それにアイラインをひいて、シンプルなメイク。
「咲希。おはよう。元気だった?ラインも元気なさそうだったけど」
「もう元気!心配してくれてありがと〜!」
無理矢理笑顔を作って安心させる。
変な心配させられると調子狂うから。
「本当?ならいいけど…」
教室の扉が開く。
先生が入ってきて、朝のホームルームが始まる。
本当にうまくいくのかな。