放課後、体育館。ボールの打ち付ける音と、ジュースのスナップ音が激しく行き交う。試合終了のホイッスルが鳴った。
俺、新田、木村は、次の試合に向けてのレギュラー選出試合期間が始まった。
新田と木村は、180センチ越えの背丈、素早いボール運び、オフェンスの組み立て、正確なアシスト、チーム全体への指示出し、高いハンドリング力と広い視野、冷静な判断力。ポイントガード(PG)になりえる実力の持ち主だ。
中でも新田は、シュート力に優れていて、木村は、高度なボールハンドリング。
俺には、身長にハンデがある分、俊敏生と持久力が必要不可欠だ。
変態イケメン事件に、巻き込まれている場合じゃない! 取り敢えず……破廉恥教科書は保留!!
「で、あるからして……無理は禁物! しっかりケアし、休むように! 以上!」
「はい!」
三年は、ミーティング、他の部員達は、各自で掃除を開始する。いつものルーティンだ。
……っ! ん……?
「お疲れ! ん……川崎?」新田は、モップを一本こちらに差し出した。
「お疲れ、ああ……ありがとう」俺は、差し出されたモップ取って床を拭いた。
「おまえ、足痛むのか?」
「え、大丈夫。後でストレッチするし」
「あんま、無理すんな。前に怪我してんだから」新田は、心配げに俺を見てくる。
「お疲れ、どうした?」木村は、ボールを持ってこちらにやってきた。俺は、首を横に振って「何でもない。木村、俺も手伝う! ボール貸せよ!」
「おう、 ほれ!」
「ちょ! 木村! 投げんなって!」
無茶したかなぁ……
ちょっとした左足の違和感が、徐々に痛み出し念の為に病院へ行くことにした。俺は、軽く捻ったんだと思いていた。
「……完治してるといいましたが、これ以上、激しい運動を続けるのはおすすしません____」
医師から告げられた言葉は、それ以上入ってこなかった。
*
間もなく、上映を開始します____館内に、アナウンスが流れる。照明が消え、中央にある撮影機がゆっくり下降する。
ドーム型のスクリーンに、物語調で始まる天体ショー。自然で美しい星空を追求しているだけあって、本物の星空を見ている感覚になる。
病院からここまで、どう来たか覚えてない。なんだか、無性に星空が見たくなった。
普段、見れない遠い星の光も、プラネタリウムだとよく見える。数え切れない無数の光に、宇宙から見た自分は、ちっぽけなんだなぁって最初見に来た時、感動したのを思い出した。
でも、今は目の前が滲んでよく見えない____
嘘だよな……もうバスケできねぇの?
満天の星空から、俺の頬に雨粒が伝う。ただ、悔しくて滲む星空を見ていた。
そんな姿を少し離れた座席から、熱く見詰めるイケメン河東が「やっぱ…泣き顔かわいいな……」うっとりと微笑んでいた。

