俺が教室に入ったところで、木村と新田に腕を掴まれ新田の席に座らされた。
「え!? 何? 何?」
「噂で聞いたんだが、河東と登校してるんだって? なんで?」新田は、真剣な顔で俺に詰め寄る。
「なんでって……俺が知りたいよ」俺は、詰め寄る新田の顔を押し退けた。
「もしかして、……パシりに使われてたりするのか?」今度は、木村が俺に詰め寄る。
おまえの河東のイメージどうなってんだ?
「……それはないけど」俺は、詰め寄る木村の顔面を鷲掴みにした。
「「じゃぁ、なんで!」」木村と新田が、ハモった。
「だから、俺が知りたいって……たた、河東に友達にならないかって言われたんだよ」俺は、頭を抱え項垂れた。
「「え!?」」また、ハモる二人。
河東から友達宣言されたこと、駅で待ち伏せされてることを二人に話した。例の破廉恥教科書のことは伏せておいたが。
「あれか、国宝の顔面傷付けられた嫌がらせか?」と木村が言う。
ゔっっっっ!(確かに)
「妖怪っていわれたからじゃ……」と付け加える新田。
ぐっっっっ!(ぐうの文字も出ません)
「ってゆーか、川崎イケメン苦手じゃなかった?」新田が小声でいう。
俺の引き攣った顔を見て、木村が察した声を出した。
「だからバスケ部入れたくなかったのか……」木村は、独りごちた。
そう、俺は、一軍男子、〇〇イケメンと付く生き物が、控えめに言って嫌いだ。
幼稚園時、女の子によく間違えられた俺は、女の子に一番人気の男の子に尽く嫌がらせされた。小学生の時は、ナルシスト男子に追いかけ回されて、中学生でも、散々な目にあった。
だから、高校でも、その呪いが発動したんじゃないかと気が気でない。
「そういやさぁ……中学の時、バスケ部の先輩で、超が付くナルシストいたよな……あっ村野先輩!」新田は、手をぽんっと叩いた。
「……その名…二度というーな」闇の俺がゆらりと、新田の両頬を指で摘んだ。
「いらい! いらい!(いたいいたい)」新田は、俺の手から離れ更に続けた。
「その村野先輩、超ナルシスト、超わがままで部員全員迷惑してて…それに川崎キレてさぁ……」
「へ…へぇ……どっちもやべぇなぁ」
「やめろって新田!」闇の俺が、新田の首を絞めた。
そこに、担任の向井が教室に入ってくる。俺と木村は、急いで席へ戻った。
「今から小テストするぞ」
「え!? 聞いてなーーい!」
「抜き打ちテストするって、いつも言ってるだろ……」
何気に、隣りに目線をやった俺は、河東と目が合ってしまい、イケ散らかした笑顔を見る前に顔を逸らした。
あっぶな! こいつ、どんだけ俺を見てるんだ? マジで怖いって!!

