さわやかイケメンが破廉恥なことを考えています。



 授業終了のチャイムが鳴り、我先に教室を飛び出すクラスメイト達。売店限定弁当を巡っての争奪戦が始まった。皆が狙うのは、限定二十食の焼肉弁当、生姜焼き弁当、唐揚げ弁当だ。
 今日、早弁したせいで売店へ行かなくてはならない。俺は、別の人気商品を狙っていたのだ!

「やった! コロッケパンと焼きそばパンゲット!」

 揉みくちゃになった甲斐があった……

  あれから暫く、河東との登校が続いて途中で笹野が加わり、同じクラスのやつらが更に加わってなんだか、二年三組集合登校みたいになっていた。
 俺は、しれっと群れから外れて新田、木村に合流し後ろから、そのカオスな登校風景を眺めていた。
 朝練が始まったのを理由に、河東とは登校していないが。めちゃくちゃ残念そうにしてたけど、あのカオス登校で悪目立つよりか、俺にとって都合がいい。

 俺の何がいいのかさっぱり分からない。友達だったら一軍がいるじゃないか……
 

 売店からの帰り。渡り廊下を歩いていると、中庭の花壇が見えた。

 あれって一軍の石黒? 何してんだろ……

 石黒は、何かを探しているのか花壇に向かってしゃがみ込んでいた。声を掛けた方がいいのか迷っていたら、石黒と目が合ってしまった。

「あ、いや……何か探してんのかと思って……」
「・・・」石黒は、持っていたプランターをこちらに見せた。なんで花か分からないが、見たことがあった。俺は、誰もいないことを確認して、渡り廊下から外へ出た。
「あ、吸引妖怪の人……」石黒は、俯いて肩を震わせた。

 え? あはは……完全にネタになってる……

「……それなんていう花?」
「これは、パンジーとビオラ。あれは、チューリップ、アリッサム、ネモフィラ、リムナンデス、マツバボタン、ノースポール、百日草……」石黒は、早口て全ての花の名前を言った。

 急に饒舌……

「へぇ……詳しいんだね。俺、チューリップしか知らないや」

 石黒が、花達見て微笑んでいる姿で分かった。

 なんか分かるな……俺もバスケ好きだし……

 突然、聞いたことない音が聞こえた。
 
「あ、売店行くんだった」石黒は、腹を摩った。
「え? この時間だともうないと思うよ」

 今の音って腹の音?

「そっか……」石黒は、またプランターを並べ始めた。
「なぁ、どっちがいい?」俺は、持っていたパンを見せた。
「・・・」石黒は、無言で焼きそばパンを指差した。
「じゃ、はい。早く食べないと、昼休み終わっちゃうよ」俺は、焼きそばパンを石黒に渡し、渡り廊下へ戻った。

 変わったやつ(イケメン)……俺が平気なイケメンもいるんだ……