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画面の中では、天気の良い市ヶ谷の風景が流れている。
平和で、健康的で、何ら怪しいところのない観光ガイドだ。
私も通学で毎日通る道、見慣れた風景だった。
だが、私は思わず息を呑んだ。
ナレーションの女性が「目眩がした」と言ってカメラを止める直前。
静止した水面に、一瞬だけ、奇妙なものが映り込んだ気がしたからだ。
私はスライダーを戻し、コマ送りにする。

水面に、無数の文字のようなものが、泡となって浮き上がってきているように見える。
反射したビルの影でも、雲の形でもない。
それは、X大学図書館の幻の地下4階で目撃されたという、あの幾何学模様のような文字にも見えた。
この場所は、癒やしのスポットなどではないのではないか
私は、スマートフォンの画面を指でなぞる。
画面越しだというのに、指先に外堀の湿った匂いがまとわりつくような錯覚を覚えた。
画面の中では、天気の良い市ヶ谷の風景が流れている。
平和で、健康的で、何ら怪しいところのない観光ガイドだ。
私も通学で毎日通る道、見慣れた風景だった。
だが、私は思わず息を呑んだ。
ナレーションの女性が「目眩がした」と言ってカメラを止める直前。
静止した水面に、一瞬だけ、奇妙なものが映り込んだ気がしたからだ。
私はスライダーを戻し、コマ送りにする。

水面に、無数の文字のようなものが、泡となって浮き上がってきているように見える。
反射したビルの影でも、雲の形でもない。
それは、X大学図書館の幻の地下4階で目撃されたという、あの幾何学模様のような文字にも見えた。
この場所は、癒やしのスポットなどではないのではないか
私は、スマートフォンの画面を指でなぞる。
画面越しだというのに、指先に外堀の湿った匂いがまとわりつくような錯覚を覚えた。
