校庭跡を抜け、私は村の中心にある神社に向かいました。
鳥居の朱は塗り直され、手水舎はピカピカ。周囲の石畳も丁寧に補修されています。
そこにあの頃の面影はまるでありませんでした。
掃除していた神主を見つけました。あの頃から代替わりしたのでしょうか。知らない顔でした。
私は神主をじっと見つめ続けました。神主はこちらに気づくと、少し驚いたような、困ったような顔をしました。
「あの、どうされましたか・・・」
「ここで、昔、人がたくさん死にましたよね」
私はそう尋ねました。 神主の顔が一瞬強張ります。
「あ、ええ……そういう時期もありましたが……今は、ほら、こうして村も新しく――」
「実際、何人死んだんですか?」
神主は言葉に詰まり、箒を握る手に力を込めました。
「……そういうお話は、観光案内所の方でお聞きいただければ……」
「100人? 200人?」
「……あの、困ります……」
神主の声が震えています。 私はその様子に満足し、踵を返してその場を離れました。
神社を出た私は、次に村の共同井戸跡へ向かいました。
案内板には『【生命の泉】と呼ばれ、村の人々の命を支えた井戸跡』と記されています。
井戸の蓋は新しく、周囲にはベンチやプランターまで設置されていました。観光地化のための「清潔な記憶」へと書き換えられた場所です。
私はポケットからペンを取り出し、案内板に文字を書き加えました。
『注意!!こちら【毒の泉】村の人々を殺した井戸跡!!』
満足して立ち去ろうとしたとき、背後から声がかかりました。
「ちょっと、あんた!」
振り向くと、作業着を着た中年男性が私を睨んでいます。
「落書きすんな! お前、どこから来た! 警察呼ぶぞ!」
私は答える代わりに、満面の笑みを浮かべました。 男性は私の笑顔に明らかに困惑しています。
私は何も言わず、全速力でその場を後にしました。
鳥居の朱は塗り直され、手水舎はピカピカ。周囲の石畳も丁寧に補修されています。
そこにあの頃の面影はまるでありませんでした。
掃除していた神主を見つけました。あの頃から代替わりしたのでしょうか。知らない顔でした。
私は神主をじっと見つめ続けました。神主はこちらに気づくと、少し驚いたような、困ったような顔をしました。
「あの、どうされましたか・・・」
「ここで、昔、人がたくさん死にましたよね」
私はそう尋ねました。 神主の顔が一瞬強張ります。
「あ、ええ……そういう時期もありましたが……今は、ほら、こうして村も新しく――」
「実際、何人死んだんですか?」
神主は言葉に詰まり、箒を握る手に力を込めました。
「……そういうお話は、観光案内所の方でお聞きいただければ……」
「100人? 200人?」
「……あの、困ります……」
神主の声が震えています。 私はその様子に満足し、踵を返してその場を離れました。
神社を出た私は、次に村の共同井戸跡へ向かいました。
案内板には『【生命の泉】と呼ばれ、村の人々の命を支えた井戸跡』と記されています。
井戸の蓋は新しく、周囲にはベンチやプランターまで設置されていました。観光地化のための「清潔な記憶」へと書き換えられた場所です。
私はポケットからペンを取り出し、案内板に文字を書き加えました。
『注意!!こちら【毒の泉】村の人々を殺した井戸跡!!』
満足して立ち去ろうとしたとき、背後から声がかかりました。
「ちょっと、あんた!」
振り向くと、作業着を着た中年男性が私を睨んでいます。
「落書きすんな! お前、どこから来た! 警察呼ぶぞ!」
私は答える代わりに、満面の笑みを浮かべました。 男性は私の笑顔に明らかに困惑しています。
私は何も言わず、全速力でその場を後にしました。
