どすこいラブリーちゃん

私はずっと、迷惑な存在でした。
クラスの迷惑。
村の迷惑。
店の迷惑。

迷惑で穢れた存在。それが私。

それなら、最期だって、みんなに迷惑をかけてもいいのではないか。

「なんだ、この人生」

肥溜めの匂いが、鼻の奥によみがえる。
笑い声。
【ラブリーちゃん】と私に名付けたときの、得意げな河田美和の顔。
あの日、井戸に向かってしゃがみ込んだ自分。

私は、あの瞬間からずっと死んでいました。
今さら命を絶つことに、どれほどの意味があるのか分からない。
どうせ死ぬなら、どうせ終わるなら、
全部やってから終わればいいと思ったんです。

腹の中の存在に、手を当てる。

「生まれなくて正解だよ」

この子を産むつもりはありませんでした。
愛情も、未来も、何も用意できない。

でも。

この子が、私に最後の理由をくれた。

私は立ち上がり、机の上のノートパソコンを開きました。

あの村のことを、思い出す。
水。
井戸。
臭いという苦情。
2019年からの大量死。

私の井戸への迷惑行為で、たくさんの村人が死んだ?もしそうだったら、とっても嬉しいな。
そうじゃなくても、わたしの井戸水をたくさんの人が飲んでくれるだけでもいい。
私の穢れをたくさんの人に届けられていたなら嬉しい。

そして、あの小学校で私が一番嫌いだった女、河田美和のことも、たくさんの人にお届けしたい。
ああ、わくわくする。
どんな届け方がいいと思いますか、皆さん。