どすこいラブリーちゃん

声をかけてきたのは、二十代半ばくらいの男でした。

黒いスキニーパンツに、細身のジャケット。
やけに歯が白い。

「仕事探してる感じ?」

否定できなかったのは、顔に出ていたからだと思います。

彼は、私を頭の先から足の先まで見ました。
測るような目でした。

「未経験?」
「……はい」

「なら、最初はソフト系かな。今なら即日体入いけるよ」

体験入店、という言葉をその日初めて知りました。

彼はスマートフォンを取り出し、女の子の写真を見せました。
どれも加工が強く、誰の顔も同じに見えます。

「でも私、太ってるし…」
「若いから大丈夫。とりあえず店にいってみない?」

大丈夫。
その言葉に、妙な安堵を覚えました。

私、大丈夫なんだ。