転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜

「す、ステンレス製?」

 前のたわしよりも何倍も痛い。

「これでやれば背中がもっともっと綺麗になるよ!」

 こいつ、やっと酔いが覚めたと思ったが、全然覚めてないじゃないか!

 俺は慌てて逃げようとしたが、

「なんだ?せっかく綺麗にしてあげようと思ったのに逃げるなんて、許せない!」

 彼女は俺を動けないように体全体で押さえ込み、背中を擦りまくった。

「痛ダダダダダダダダダダダダダダダ!」

 俺は崩れ落ちてしまった。

「逃げるなんて卑怯だぞ?」

 そう言い彼女は、俺の体の上に乗っかかってきた。

「ぐへっ。」

 す、すごい重さだ。
 俺の体は床に押しつぶされている。

「走れ!」
  
 そう言って、彼女は俺の背中を擦り続けた。

 痛くて動けないが、このままだとまずい。
 俺はなんとか這いつくばり、馬乗りになってキーヌを運んで進もうとした。  
 しかし、

「遅い、遅すぎるぞ!」

 そう言って彼女はまた

「ガギガギガギガギガギガギガギガギ!」

 と、擦るのをやめない。
 すると彼女は、今度は俺の頭の方へ移動して足を顔に絡めて乗ってきた。
 
「首は討ち取った!どんどん進めーーー!」

 といって、首を絞めてきた。
 く、首がちぎれそうだ。

「ガギガギガギガギガギガギガギガギ」

「あーーーーーーーー!」

 俺は苦しながらもなんとか進んだが、ついには倒れてしまった。

「なんだもう動けないのか!
 だらしないなーーー!」

 そういい、もう一度彼女は俺に飛び乗ろうとしたが、よろけて運悪く俺の急所を勢いよく踏んづけてきた。

「ああ…ああああ…ああああ…ああ」

 今度は痛すぎて声も出せない。

「なんだ痛いのか?
 そんなにそこって、痛みが伝わるのか?
 それなら、もう一回!」

 そう言って彼女はもっと高くジャンプをして急所を潰してきた。

 う。粉砕されそうだ。
 耐えろ……耐えるんだ。
 
 俺はなんとか痛みに耐えていたが、ついに限界が来てしまった。
 その時!

「あ!」

 彼女は足を踏み外してしまい、よろけて転んでしまった。
 だが、彼女の顔が俺の上にある。

「あの、ごめん。私、気持ち悪くてウップ」

 彼女の顔は青ざめていて、今にも吐き出しそうだ。

「さ、流石にダメだぞ?
 そんなことしたら、俺の顔にかかって…」

 やっぱり酒が強すぎたせいだろう、
 あんなアルコール度数の高い酒を一気飲みなんてして、気持ち悪くならない方がおかしい。
 す、少しずつ口から出てきている。
 そうして俺の鼻にかかってきた。

 「に、臭いが強すぎる」

 「だ、だめ。本当に吐いちゃう」

 しかも、鼻の中に入ってきて、臭いが染み込んできた。

「本当に酒の臭いは無理なんだ。
 頼むから退いてくれないか」

「いや、だめ。今少しでもウップ。動いたら…私絶対に吐いちゃう」


「ためだ。そんなことしたら、絶対に…」

 俺は彼女を持ち上げようとしたが、重すぎる。
 なんとか力を振り絞り、腕を伸ばした瞬間!

「つるっ!」

 せっけんでヌルヌルしているのが残っているのか、俺は手を滑らせて彼女を落としてしまった。

「ゲホッ。もう、ウップ…」

「だめだ!本当に耐えるん…」

「ゲボッ、ぼちゃぼちゃボチャ」

 俺が喋っている途中、ちょうど彼女は吐き出してしまい、全て俺の口の中に入り込んでしまった。
 
「ああ!すっきりしたーーーー!
 今ならもう何杯でもいける!」

 今度は俺が吐き出しそうになった。

 その後彼女は立ち上がりケロッとした様子で言った。

 「あの、サウナって入ったことある?」

 本当にこいつ、無神経すぎないか!