転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜

「すみません。俺、最初の方から見ていたらそれが出てきたので、強いと思って使っても全然役に立たなくて…」

「まあ、前のことを言っても仕方がないかもしれないな。
 次はもっとちゃんとした技を覚えてくれよ?」

「分かりました。明日には覚えておくんで」

「そういえば、襲撃されるのって、税金が払えなくてですよね?
 それなら、税金を下げてもらうことはできないんですか?」

「それができたらいいんじゃがな。
 襲撃に来る奴らに言ってるんじゃが、聞く耳を持ってくれないんじゃよ」

 なるほど。
 それなら、確かにこうなり続けるのも納得だな。

「だから、頼むぞ若き英雄よ!」

「わかりました。期待しといてください」

 そうして俺たちは体を洗い、温泉を出て各自寝床に戻った。



「あー。今日も大変な1日だったー。
 まさかこれがまた盗まれるなんてなー」

「明日も朝起きてしっかり覚えておこう。
 いつ奇襲されるかわからないからな」

「今日はもう寝よう」

 そして俺は眠りについた。

       次の日の朝

「チュピチュピチュピー」

「あれ?鳥が泣いている。
 もう朝なのか。
 起きて技を覚えなきゃいけないな」

 しかし俺は、一瞬気が緩んでしまった。

「でも、昨日の夜って、寝るの遅かったよな?
 それにこの世界に来て何日も頑張って疲れていたんだし、それに今日は流石に襲撃に来ないだろう」

「とりあえずお休みーーーー!」

 そうして俺は二度寝をしてしまった。

 目が覚めたのはお昼頃だった。
 時計があるわけではないが、俺の体内時計がそう言っている。 
 
「まあ、とりあえず腹ごしらえが先だな」

 そうして俺はノートを持って食堂に向かった。
 食堂は歩いていると、騒がしい子どもたちの声が聞こえた。

「パチパチパチパチ」

「おー?燃えてるぞー!かっけーー!」

 見ると子供達が焚き火を囲むようにして遊んでいるようだ。
 しかし、周りを見ても大人の気配はない。
 子供達だけで遊んでいるのか?

「おい!お前たち子供だけで火を使っているのか?」

 俺は柄でもないことをしている。
 前の世界では、人に注意などするわけなく、面倒ごとはごめんだったから自分でも今こうしていることが信じられない。

「なんだよ兄ちゃん…って、兄ちゃんもしかして今話題の英雄じゃないのか?」

 俺は調子に乗って誇らしげに…

「ああ、まだ英雄とは呼べないが、多分それは俺のことだな!」

「それなら、なんかすごいことが書いてあるって噂のノートを見せてくれませんか?
 俺、どうしても気になるんです」

 俺は一瞬躊躇ったが、純粋な眼差しに負けてしまい、子供たちに渡してしまった。

「ほら!大切に見てくれよ」

 子供達は興奮しながら…

「おーーーー!」

「すげーーーー!」
 
「見たこともない、強そうな技がいっぱい書いてある!」

「これがあれば、村だけじゃなくて、魔王から国を守れるんじゃないか?」

 そういえば、国でもまだ見つかっていない魔法が書いてあるって聞いたような気がする。

「それじゃあこれ、ありがとうございます」

 そうして、子供達は俺にノートを返そうとした。

 しかし、渡そうとしたその瞬間

「バチバチバチッ!」

 火の燃える勢いが増した。
 そして、子供がうっかりして、

「うわっ!」

 と、手を滑らせてしまった。
 そしてその勢いのまま、ノートが火の中に入ってしまった。

「やばい!ノートが燃える!」

 俺はかなり焦っていた。
 早くノートを火から出さなければならないらい。
 しかし子供たちが、

「あのっ、本当にごめんなさい!」

 と言って逃げていってしまった。

「おい!まて!これ、どうするんだ!」

 まずいまずいまずい。
 これが燃えてしまったら…
 いや、今はそんなことよりもノートを火から取り出さないと。
 
「熱っう!」

 俺は火の中に手を突っ込んだが、あまりの熱さに、流石にノートを取り出すことができなかった。

「バチバチバチ!」

 火の勢いは、どんどん増している。
 
「なんとか火の勢いを弱めなければ!」

 何か水はないか?
 周りを見回していると、近くに川が流れていることに気づいた。

「そうだ!これで火を消せば!」

 あとはバケツがあればいいんだが。

「近くにバケツは…」

 周りを見回してても、バケツのようなものはなかった。
 
「それなら、こうするしか!」

 俺はただ水を掬い、火に水をかけた。

 ただ、

「バチバチバチバチバチバチ!」

 た、火の勢いは、弱まるどころか強まってしまい、急いで水をかけたが何も変わらなかった。

「大丈夫か!」

 トンプリーが駆けつけてくれたみたいだ。

「今すぐ火を消すぞ!」

 そうしてトンプリーはバケツを持ってきて、水をかけ、なんとは火を消すことができた。

 トンプリーは、火の中に入っている、真っ黒にこげ、炭の塊のようなものを持って尋ねた。

「これは何がわかるか?」

「…それね。それは、俺のノートだよ!」