転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜

「俺のポケットが切られて中身だけなくなっているんだ!」

「なんだって?!また盗まれたのか?
 今すぐに追いかけにいくぞ!」

「いや、落ち着け。こういう時こそ、落ち着くべきなんだ」

「この状況だと、落ち着いている場合ではないだろ!早く探しに行かないと」

「いや、一旦落ち着いてみる。
 ふーーーすーーー」

 そう言って、まずは、ポケットの中身を確認したら、

「そんなことしたってノートが見つかるわけ…」

「あったぞ!」

「ノートがあったのか!
 いったいどこに?」

「もう片方のポケットに入れてあった」

「うっかり過ぎじゃないか?
 まあ、見つかったならよかったよ」

「でも、犯人は早く探さないとな!
 また取られないように、しっかり捕まえておこう」

「ああ、わかったよ」

 そうして俺らはノートを盗んだやつを探すことにした。

「でも、どうやって探すんだ?
 ノートを持っていないから捕まえても見つからないぞ?
 わざわざ自分から盗んだなんて自白する奴はいないし…」

「それは大丈夫だ。
 犯人は、君のノートを盗んだと思っているから、きっと気づいた頃には怒っているはずだし、それにノートを奪う時にきっと逃げるようにして去っていったはず。
 ならば、1人くらいは怪しいと思って見ていた村人もいたはずだ」

「それなら、聞いてみるか!」

「2人で手分けして聞き込もう。
 その方が早いはずだ!」

「わかった」

 俺はまず、さっき俺を胴上げしてくれた男に話しかけた。

「あの?誰か怪しい男を見ませんでしたか?
 逃げるようにしてここから去っていって人とかって?」

「逃げるって、何か盗まれたのかい?」

「いえ、そうではないのですが、人を探していて…」

「んーー。すまんな。あまり覚えていなかったよ。
 あそこにいる騎士なら何か知っているんじゃないか?」

 そう言って彼は、先ほどの女騎士を指さしていた。

「では、あの人に聞いて見ますね。
 教えてくれてありがとうございます」

「おうー。頑張れよ!英雄さん」

 そうして俺は、騎士へ行き…

「あの、逃げるようにして、ここから立ち去った怪しい人っていませんでしたか?」

「怪しい人…あいつか!確かに怪しいと思っていたんだ。
 何をしたか分からないが、もし、用があるなら、その男が行ったところまで案内しよう!」

「いいのか?なら頼むぞ!」

 そう言われて、俺は再び女騎士の後ろをついていった。

「いたぞ!あいつだ!」

「?!あいつって、どっかで見たような…」

「思い出したぞ!あいつは、我が村の盗人、
 ヴオルールだ!」

「ヴ、ヴオルール?!」

「なんだ?知っているのか?」

 知っているも何も、あいつは俺のノートを盗んだ奴なんだ。
 しかも、また盗もうとするなんて。
 あれ?でも…

「あいつって、捕まったんじゃないのか?」

「そうなんだ。あいつは捕まえて牢屋にぶち込んだはずなのに、なぜ外に出ているのだ?
 とにかく今は、あいつを捕まえるぞ」

「まずい。もうあんなにも遠くに…」

 あの男の奥にいる老人は誰だ?
 ん?よく見たら、村長じゃないか?

「村長!危ないぞ!その男はあの盗人なんだ。
 村長早く…」

「止まらんか!」

「俺が止まるわけないだろ!」

「止まらんというのなら、わしが捕まえてやる」

「あ?捕まえてみろよ。捕まえれるもんならな!」

「駄目だ早く逃げるんだ。
 早くしないとヴオルールがぶつかってきて大怪我を…」

「盗人がわしの村を暴れるんじゃない!」

 ぶつかりそうになったていたその瞬間、村長はヴオルールの腕を掴み、勢いよく投げ飛ばした。

「村長強っっよ!」

 予想外の光景だった。
 周りの村人も皆驚いている。

「午後6時11分」

 異世界でもそれやるのか。

「そういえば、お前ノートなんて持ってないじゃないか?
 入っていたのはティッシュだけじゃねーかよ。
 しかも、鼻を噛んだのか、全体が湿ってグチュグチュじゃないか!
 なんてもの盗ませてくるんだよ?」

「確かに俺はノートを持っていたが、お前が盗んだのは、反対のポケットからなんだよ!」

「何?おまえ、ノートは右ポケットに入れていたはずじゃないのか?」

「確かに俺はこれからノートは右ポケットに入れるつもりだった」

「そうだろ?だって、俺が見た時は右に入っていたのに…」

「そうだよ!
 だから俺は…」