転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜

「あの王都についてなんだけど、一つ聞いて欲しいことがあるの
 聞いてくれる?」

「別にいいけど」

「あのね。実は私もあなたみたいに、王都に対抗しているの」

 この娘、ただの娘じゃなくて、そんな村を守ろうとまで…

「この国の王との話は知っているよね?
 私たちに立ち退かせようとしているんだよ。
 酷い話だよね。
 しかも立ち退いでしまうと、もうこの温泉を営業することも、入ることもできなくなっちゃうんだ」

「確かに、ここに居られないなくなったら行くあてもなくなるしね」

「だから、わたしはどうしても対抗しようと思っているんだけどね。
 男性の方が力が強いし、女性は危ないからって、武器さえ持たしてくれないの」

「それなら、どうやって対抗する気なんだ?」
 
「私は武器がなくても、少しでも戦うため、体を鍛えているの」

 そうか。確かにそれを聞くと大男2人を倒したって言う噂も納得だ。
 そういえばここにきて風呂に入ろうとした時、別の部分が衝撃すぎて完全に忘れていたが、腹筋がいくつもの数にバキバキに割れていたな。
 本来なら二度見してしまうような筋肉だった。
 俺としたことが、筋肉よりもそっちに目が入ってしまうなんて。
 まあ、男なら仕方がないよな。
 
「だから、私も対抗するし、あなたは救世主と言われているほどだし。
 一緒に戦いたいの!」

 そうか。だからさっきからあんなにも近づいてきたのか。
 変な気持ちとかじゃなくて、純粋に助けを求めてか。
 にしては近すぎる気もするが…

「わかった。俺も頑張るから、一緒にこの村を守り抜こう!」

「ありがとう」

 そうして彼女はこちらへ手を出してきた。
 俺はとっさに自分の手を出し、握手をしようとしたが、その瞬間…

「痛だだだだだだだだ!」

 とてつもない強さで俺の手を握ってきた。

「あれ?痛かった?」

 ふと見ると手には血管が浮き出ていて、筋肉が異常にがっちりついた手で俺の手握っていた。
 痛い。痛すぎる。

「これ以上何かされたら困るし、今日のところはこれで」

 そういって、俺は逃げるように湯から出た。 
 
 

 俺はその後、シャワー室で頭を洗っていた。

「ゴシゴシゴシ」

「くっそー。痛い目にあったなーー。
 まさかあんなにも力が強いなんてな…」

「背中、洗おうか?」

「げっ!」

 もしかして、俺が湯を出たタイミングでついてきたのか?
 だが、せっかく洗ってくれるんだったら、遠慮しずに…

「ああ、頼むよ」

「了解!」

 あれ、彼女、背中を洗うようなタオルなんて持っていたっけ?
 もしかして、タオルじゃなくてあれで背中を拭くんじゃ…
 そんな妄想をしていると、突然…

「ガリガリガリガリガリガリガーーーー!」

 背中に激痛が走った。

「なんだ?」

「あれっ気づいた?
 タオルがなかったから、たわしでふいてるんだよー」

「たっ、たわし?!」

 どうりで痛いと思ったら、まさかたわしでふいていたなんて。
 ただでさえザラザラしていると言うのに、彼女のあの力でやられたら痛くてたまらない。

「つるっ!」

 俺はすぐにその場から逃げようとしたが、落ちていた石鹸で足を滑らせてうつ伏せに倒れてしまった。

「痛ってーー」

「逃げるなーーー!」

「まずい逃げ…」

「どっしーーーーーーーーーーーーーん!」

「ぐへっ!」

 逃げようとしたが、その瞬間、彼女に上に飛び乗られたせいで、身動きができなくなってしまった。
 しかも彼女、見た目は一切太っているようには見えないし、身長も俺と同じくらいだが、上半身のあの部位がとんでもなく大きく、そして筋肉がたくさんついているせいで、とんでもなく重く感じる。
 いくらなんでも女性とは思えない重さだ。
 俺はつい、

「お、重い…」

 と口を滑らせてしまい…

「今、私に重いっていったなーー!」

「ガリガリガリガリガリガリガリーーーー」

「ぐはっ」

 さっきよりも何十倍もの力で、彼女は俺の背中をたわしでこすり回した。
 このままだと血が出てしまう。
 早くこの場から逃げなければ…

「誰か!助けてください!」

「助けを呼んでも無駄だよ!
 だってここは私の家の温泉だもん。
 もう母は寝ているから、今ここにいるのは私と君だけだね!」

 俺は必死に抗おうとしてもがいていたが、彼女には逆効果だったみたいだ。

「なに?逃げる気だな?
 それなら今度は!」

「くるっ」

 一瞬体が宙に浮いたような感覚になったが、それから今度はうつ伏せにされた。
 そしてまた、

「どっっっすーーーーーーーーーーーん!」

 今度は俺の顔の上に乗ってきた。

「うっ。うっぷ」

 重すぎて息ができない。
 窒息死しそうだ。
 苦しい…
 
「今度はお腹だーーー!」

 そう言って、今度はお腹を

「ガリガリガリガリガリガリガリガリーー」

「ガハッ!」

 そして俺は、たわしでお腹を擦り続けられた。