転生した特典が鼻かんだティッシュよりしょぼすぎる!〜ゴミ武器はゴミとしてぶん投げる〜

 やっぱりこいつは敵だったか。
 流れ的に敵じゃない方がおかしいけどな。

「ギルルールーギールーギ!」

 なんかこいつ変身してから急に言葉を喋らなくなったぞ?
 でも、トンプリーって、魔王軍だから言葉は通じるんじゃ?

「おいっ!こいつ今なんって言ったからわかるか?魔王軍の曹なんだろ?」

「ギルルールーギールーギ!
 だと言っている。」

「だから、どう言う意味なんだ?」

「意味といっても、そもそも言葉になっていない時点で、意味なんてない。
 君が聞こえた以上の意味は、ないんだ。」

 やっと呼び方を君にしてくれたみたいだ。
 結局役に立たないけど。

「曹だったら、これくらいの魔王軍の敵だったら、命令して服従できないのか?」

「すまないが無理だ。
 敵の中にも、初級、中級、上級と大きく分けられるが、私が部下にできるのは初級までだ。
 こいつは中級だから私のいうことは聞かない。」

 いくらなんでも役立たずすぎないか?
 こいつ、今まで俺の役に立ってくれたことがあったか?

「それなら、その剣でこいつを倒すことはできないのか?
 お前くらいのレベルだったら、従わせることはできなくてもひるませることくらいだったらできないか?」

「分かった。やってみるよ」

 剣士はモンスターの頭目掛けて剣を振ったが…

「ギルルールーギールーギ!」

「びくともしないじゃないか!
 なんらな挑発させたじゃないか?
 何が剣の先で風を作るだ!
 風どころか本体が当たってもダメージが与えられていないじゃないか!」

「すまない。いつもならこんな事にはならないのだが、こんな強い敵と戦うのは久しぶりなんだ!」

 うわー。普段雑魚狩りみたいなことしかしてなかったから、絶対曹よりも弱い実力になっているじゃ。
 マジでこの剣士何やってんだ!
 「しょうがない、ここは俺が…」
 俺は弓を取り出し、

「バコッ!」

「ギールーラールルルギー!」

 弓を敵に目掛けて投げつけた。
 そして敵が怯んでいる間に、

「今だ!すぐ逃げるぞ!」

 落ちてしまった弓を、すぐに拾い直して、村の方向へ必死に走り出した。
 
「はあっ。はあっ。まだ追いかけてきているか?」

「後ろを向くな!確認したとしても、逃げ切れる可能性は上がらない。
 なんなら、少し隙ができて捕まる可能性が上がるだけだぞ!」

 俺がチャンスを作ったのに、偉そうなことを言われてしまった。
 だが、言っていることは間違っていない。
 今はとにかく逃げ切ることが最優先だ。

「村に着いたら、どうするんだ?
 追われているのには変わらないぞ?」

 そんなことを言われても、今は逃げることしかできないし、疲労も襲ってきてあまり深くは考えられないが…

「村に着いたら門番に助けて貰えばいいんだ!
 俺はあのモンスターに倒されそうですっ
て!」

「馬鹿!村ごときの規模でいちいち門番があるわけないだろ。
 敵が僕たちを見失うまで走り切るしかないんだ!」

 それなら村へ走ってもしょうがない気が…
 まあ、村に着いたら振り切れていることを願って走るしかないな。

「ほら、もうほとんど見えてきただろ!
 あそこまで走り切るんだ!」

 「はあっはあっ」

 最後の方は、ほとんど歩いていたが、着いた頃には疲れ果てていた。

 二人は倒れ込んでしまった。

「もう敵は追いかけていないみたいだな」

「あれほど走ったんだ。
 追いかけ切れるはずがない」

「途中弓と盾が重くて…」

「途中剣が重くてだいぶ辛かったが、ようやく到着することができたな」

「ああ…。」

「始まりの村…デパールに!」