転生したらチートアイテムが弱すぎて詰んでしまいました

「村ってどこにあるんだ?」

「あそこに見えるだろ。あれがここから一番近くにある村だ」

 確かにそこには村が存在した。あまり大きいように見えないが、飲食店などはありそうだ。

「でも、なんでわざわざ村まで行くんだ?」

「おまえは、僕の言ったことをまだ信用できてないだろ?それなら他の人にあっても驚くことを、確かめるんだ。」

 そう言うことなら嘘ではないのかもしれない。
 どちらにせよここから出たら次は村か町に行く予定だったんだ。
 武器を買ったり寝泊まりできる場所も探したいしな。
 異世界転生でも、転生したら、始まりの村に行くのが定石だし、俺も気になっていることはたくさんある。

 あとなんか呼び方が君とかお前とか混じってるな。
 

「では、今から始まりの村、デパールに行くぞ!」

 始まりの街っていうことは、ここも始まりの地みたいに思われているっぽいな。

「分かった。道案内は任せたぞ」

 こうして始まりの村デパールまで歩き出したのだ。

「案内と言っても、この一本道を歩き続けるだけで簡単に着くぞ!」

 なんだ。じゃあ別にこいつの案内必要ねえのか。
 なんで一応魔王軍のくせに、こんな旅人についてくるんだよ。
 こんなの本当の魔王軍幹部が見たら失望するな。

「ようやくあの薄暗い場所から出ることができてスッキリするな」

「私もあの部屋の上から来たのだが、本当はあそこから出れなくなってあの場所で助けてもらえる日を待っていたんだよ」

 こいつ、また嘘をついているのか?
 これが本当だったら、正真正銘のアホだな。

「て言うか?それならなんで俺にあんなことしてきたんだ?」

「一応魔王軍だから、反射的にああしてしまって…」

 そうか。こいつも一応魔の生き物だから、旅人に攻撃してくるのも、当たり前なのか。

「そう言えば、なんでこれに執着を持っているか、そろそろ教えてくれないか?
 あんなの所詮俺が書いたメモ書きだろ?
 あんなのいくらでも描けるぞ?」

「そこがずっと怪しいんだ。
 そんなこと一般の旅人が関わるわけがない。
 もしかしたら、魔王軍の刺客なんじゃ?」

「違いますので安心してください」

 逆になんで同じ魔王軍だったらこのことを知られていないんだよ。
 普通仲間ならいくら曹とは言え、これくらいの情報くらいは行き届かないのか?
 でもこれが本当にすごい物なら、こんな硬いだけの弓や、範囲が極狭い中でしか最強と言えない盾よりも、ずっとチートアイテムじゃないか?
 ようやくこの世界で無双ができそうだぜ!
 早く村に着いて本当のことを確かめたら、このノートを全部見まくって最強の男になってやる。
 そんなことを話しているうちに、ようやく半分くらいのところまで歩き終わり、後半に差し掛かろうとしていた。
 意外とあっさりつきそうだな。
 余裕な気持ちで安心していたら、1つの人影が見えてきた。
 
「村人だ!この世界にきての初めての村人を見つけたぞ?話しかけに行って見るぞ!」

「待て、行がない方がいい。
 もしかしたら村人に擬態したモンスターかもしれないぞ?」

「そんなわけないだろ?だって、すぐそこに村があるんだ。あれは村人と考えた方が何倍も自然だろ?」

「それも…そうだな」

 俺らが村人に近づき、話しかけに行こうとした瞬間、あることが頭によぎった。
 そもそも何で今村人に話しかける必要があるんだ?
 どうせ今から村に着こうとしているのに、わざわざ敵かもしれない人に話しかけに行く必要があるのか?

「やっぱり話しかけに行くのはやめ…」

「こんにちは!お二人揃って町へようですか?」

 いきなり、向こうから話しかけてきた。
 まあそんな擬態しているなんてことはないか。

「村へ向かっているのですか?」

「まあ、そうですが。」

「町へ行きたいのなら、この先を進んだら、脇道が見えると思いますので、そちらに曲がっていただければすぐですよ」

「いや、この道を進めば多分一番近いぞ?」

「こっちの方が近道ですよ?」

「一応言っておくが、僕はあの村に何度まで歩いているが、脇道を進むと敵のアジトだぞ?
 お前、普通の村人に見えるが、行ったことがあるのか?」

 敵の表情が徐々に変わっていった。

「バレてしまったか…なら」

「シューーーーー!」

「なんだ?」

 一瞬にしてあたりが煙で見えなくなった。
 風が吹き、煙がなくなって周りが見えるようになった時、

「おまえ!やっぱり敵だったのか。」

 そこにはさっき戦った敵よりも強そうな敵がこちらを睨みつけ、襲ってこようとしていた。

「ギルールーールールギール!」

 …流石にフラグを立てすぎたか。