転生したらチートアイテムが弱すぎて詰んでしまいました

 こうして魔王軍幹部トンプリーとの戦いが始まった。
 やはり剣士という称号や、魔王軍幹部と名乗るだけあって、それなりの実力はあるのかもしれない。
 だが、戦いを仕掛けてしまった以上、相手が何者であろうとも、本気で挑まなければならない。
 しかし、相手がどう出てくるかを見計らうのは、戦法の一つとして、今はまず様子見だろう。

「どうした?自分から勝負を仕掛けておいて、何もできないのか?
 では、私から攻撃させてもらう」

 幹部はどんどん私に近づいていき、大剣を大きく振りかぶせた。
 まずい。相手の様子を見ると言っても、俺ができることなんて何もないから、攻撃されて死んだら終わりなんだよな。
 とにかく今は、自分のことを守るしかない。
 仕方がないが、この盾で防げるだけ防ぐか。
 
 「カキーーーーーン」

 剣士の大剣は、勢いよく飛んでいった。

「いやそっちはもっと弱いんかい!」

 そうか。俺はこいつが持っている武器の中で最強の盾を使ったから、少なくともこいつが使ってくる剣はこの盾よりは弱いのか。
 そういうことなら、

「どりゃっっーー!」

 俺は持っている弓をいつも通り物理で剣士に向かい、投げ当ててやった。
 剣士は剣も弾かれ、無防備からか、やはり身を守ることはできず、当たって倒れ込んだ。

「卑劣な手を使いおって。
 弓は、本来矢を引いて遠くから攻撃するものではないのか?!」

「俺もそれができたらそうしたいんだよ!」

 これがポンコツじゃなかったら、俺の腕の見せ所だったはずなのに。

「もしかしてお前、弓の腕に自信がないのか?」

「は?!おまえ、今なんって言った?!」

 許せない一言であった。
 俺は今まで、これと言って自信を持って得意と言えるものはなかった。
 だが、弓を当てることだけは、家で腐るほど練習していたんだ。(ゲーム)
 この世界でチート級と言えるほどの実力があるとは言えないかもしれない。
 だが、こんな奴に言われたくはない。
 
「ならば、見せてやろう。
 俺の弓の技術を!」

「当てれるなら、当ててみるがいい。
 この剣で打ち返してやる。」

 こいつ、さっき剣が吹っ飛んでいったばっかりなのに、何を偉そうに。
 そこまで言うなら…
 おれは、この世界で最強の武器だと思い込んでいたこの弓を、俺の異世界転生史上2回目の構えをした。そして、

「跳ね返せるなら跳ね返してみろ!
 おまえはそもそも跳ね返せるものがないがな!」

 そうして俺は矢を天井に向けて放った。
 
「お前はどこにうっているんだ?
 そんな方向にあって当たるはずがない!
 第一、こっちに打ってきたとしても、避けるだけだがな」

 俺はこいつが矢に夢中になって1人で話している間、剣士へ向かって突撃していた。

「なんだ?いつの間にこんな近くに?
 それなら僕も!」

 お互いの声が響き渡り、剣と盾がぶつかり合った。
 お互いが全身の力を使って、一歩も譲ろうとはしなかったが、少し、剣士の方が優勢だった。
 やはり剣と盾では攻撃するにあたっては、差が出てしまうのだろう。
 その時、剣士の頭上に、何かが落ちてきた。

「痛って!なんだこれ?!」
 
「隙あり!」

「カーーーン」

「ぐはっっっ!」

 なんと、戦っている途中にさっき打った矢が落ちていたのだ。

「くそっ。どう考えても、タイミング的にありえないだろ!」

「確かにあのままただ打っていただけでは、もっと早く落ちていただろう。
 だが、俺は矢を天井で引っ掛け、お前が上を見るのに夢中になっている時にまた弓を打ち、そしてまた俺の方を見た瞬間に二つ目の矢が、一つ目の矢にあたり、一つ目の矢がお前の頭上に落ちるようにしていた。」

「さっきまではこっちの方が優勢だったはずなのに、策士だな。
 だが、まだ戦える。
ダーーーーーー!」

「もうひとつ言うが、俺は二つの矢を打っている」

「それはさっきも聞いたぞ!何回も同じことを………………ぐはっ?!」