2026-03-01
『冷めたあなた』
きっと彼女は無意識でしているのだけれど
それに対して嫉妬をしてしまう場面だとか。
きっと彼氏は故意的ではないのだけれども
それに対してやきもちを焼いてしまうとか。
気付かぬうちに恋人を傷付けて
その関係に冷たさを迎え入れる。
長く一緒に居てしまうと人間は
その状況に慣れてしまっていき
大事にすることを忘れてしまう。
最初は相手を思いやっているつもりだった。
もしくは、確かに相手を思いやっていたが。
いつしか、自分のことを優先していき
相手のことを思いやれなくなったなら。
きっと、恋人は傷付いてしまう。
だから僕は会わない選択をした。
心底愛している人と会わないというのは
地獄に連れていかれるよりも遥かに辛い。
地獄での暮らしが天国だと思うほど
会わないという選択に温もりはなく。
会う回数が増えていくごとに
笑顔を減らしてしまいそうで
怖くて逃げ出してしまった僕。
どうか、怒らないで聞いてください。
僕は、あなたのことを愛しています。
別れ際、伏し目がちだったあなたを。
いっそ、あなたに嫌われてしまうことが
あなたなりの幸せな気がしてなりません。
会わないという愛も存在していること
僕は心のどこかで信じているけれども。
「何言ってるの」とあなたの声が聞こえる。
もう擦り切れるほどに聞いたあなたの声が。
「私ね、君となら幸せになれる気がする」
付き合ったばかりの頃、あなたは言った。
どうですか、今、幸せだと感じてますか。
僕は幸せを手に入れるのが少し怖くてね。
離れたくなったとこ。
ごめんね、あなたを傷付けるつもりはないの。
ただ、僕があなたを守れるほど強くないだけ。
どうか、許してください。
こんな僕の阿呆らしさを。
仏壇に置かれたあなたの写真を見るたび
もう、耐えられなくて逃げ出してしまう。
触れられないあなたの顔がそこにはあって
何も発さないあなたの口もそこにはあって
ただ、静かな部屋の隅で
僕はあなたと見つめ合う。
線香を手向けてないというのに
線香の燃える匂いが微かにして。
胸いっぱいに吸ったそれの中に
微かに、あなたの匂いを感じた。
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『冷めたあなた』
きっと彼女は無意識でしているのだけれど
それに対して嫉妬をしてしまう場面だとか。
きっと彼氏は故意的ではないのだけれども
それに対してやきもちを焼いてしまうとか。
気付かぬうちに恋人を傷付けて
その関係に冷たさを迎え入れる。
長く一緒に居てしまうと人間は
その状況に慣れてしまっていき
大事にすることを忘れてしまう。
最初は相手を思いやっているつもりだった。
もしくは、確かに相手を思いやっていたが。
いつしか、自分のことを優先していき
相手のことを思いやれなくなったなら。
きっと、恋人は傷付いてしまう。
だから僕は会わない選択をした。
心底愛している人と会わないというのは
地獄に連れていかれるよりも遥かに辛い。
地獄での暮らしが天国だと思うほど
会わないという選択に温もりはなく。
会う回数が増えていくごとに
笑顔を減らしてしまいそうで
怖くて逃げ出してしまった僕。
どうか、怒らないで聞いてください。
僕は、あなたのことを愛しています。
別れ際、伏し目がちだったあなたを。
いっそ、あなたに嫌われてしまうことが
あなたなりの幸せな気がしてなりません。
会わないという愛も存在していること
僕は心のどこかで信じているけれども。
「何言ってるの」とあなたの声が聞こえる。
もう擦り切れるほどに聞いたあなたの声が。
「私ね、君となら幸せになれる気がする」
付き合ったばかりの頃、あなたは言った。
どうですか、今、幸せだと感じてますか。
僕は幸せを手に入れるのが少し怖くてね。
離れたくなったとこ。
ごめんね、あなたを傷付けるつもりはないの。
ただ、僕があなたを守れるほど強くないだけ。
どうか、許してください。
こんな僕の阿呆らしさを。
仏壇に置かれたあなたの写真を見るたび
もう、耐えられなくて逃げ出してしまう。
触れられないあなたの顔がそこにはあって
何も発さないあなたの口もそこにはあって
ただ、静かな部屋の隅で
僕はあなたと見つめ合う。
線香を手向けてないというのに
線香の燃える匂いが微かにして。
胸いっぱいに吸ったそれの中に
微かに、あなたの匂いを感じた。
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