ツギハギ


はいどうもー、みなさんこんばんは。最近悪夢は見てますか? 夜更けの語り部、雑談系怪談ユーチューバーのダミエです。
今夜は、DMで実話投稿をいただきましたので紹介していきます。
えー、それでは早速読んでいきますね。S県のKさんからのお便りです。

『ダミエさん、こんばんは。
いつも動画楽しみにしています。
これは、去年の秋ごろ、私が仕事終わりに体験した出来事です。
こういうのははじめてかくので、まとまっていなかったらすみません。

私は、大型商業施設の衣料品フロアの販売スタッフをしています。
その日は平日で、一人でレジの締め作業をしていました。
レジを締めて、帰ろうと思った時です。

「こんんにちはあ」

声を掛けられたんです。
もう営業時間外でしたからお客さんがいるわけなくて、他のフロアの担当のスタッフがいるのかなって思いました。
それで振り返ったんですけど、誰もいないんです。
おかしいな、って思ったんですけど、やっぱり、

「ああのお」

って、商品棚の方から声がするんです。気のせいとかじゃなくて。
もしかして、トイレとかにお客様が残っていたのかな、って思って、そういうことってたまにあるので、そっちに行ったんです。
マネキンしかありませんでした。

「さっきいから、おかしくてええ」

その時、そこには、親子をイメージしたマネキンが三体、お揃いのスポーツウェアを着てるマネキンが立っていました。
細身の服ですから、背後に誰かが立っていて動かしてる、なんてことないんです。
そのうち、カツラと帽子をかぶった子どものマネキンがぶるぶる震えて、私の方を向こうとしてるみたいなんです。

「体がああああ動かないんんですう」

私、びっくりしてしまって。
そういう時って、腰が抜けるとか、悲鳴が出るとか言いますけど、私、どっちでもなくて。

「だってマネキンじゃん……」

って言っちゃったんです。
あんまりにも非現実的すぎて、かえって冷静になれちゃったっていうか。
怖いっていうか、むしろおかしくなっちゃって。お笑い番組とか見てる時に、自分でつっこんじゃうみたいな、そういうノリで。
そしたらそのマネキン、ぴたって止まって。

「間違えた」

って、いきなりそこだけ流暢になって、すごく低い声でぽそっと呟いて、それきり動かなくなりました。
私、自分が見たものが信じられなくて、監視カメラとかに残ってないかなって思ったんですけど、監視カメラって音は入らないんですよね。
画質も悪いんで、マネキンが震えてるくらいだったらわからないでしょうし。
角度的には写ってるはずなんですけど……。だから、なんか、疲れてて幻覚でもみたのかな? って思って、その日は直ぐ帰って寝ました。
誰かに話したら夢で見てたのかなって言われると思うので、ここで供養させてください。』

……はい! 投稿ありがとうございました。
マネキンって、言ってみれば巨大な人形ですよね。
それも人と同じ格好をして、毎日色んな人に見られている。
昔話でも都市伝説でも、日本人形の髪が伸びるとか、呪いの藁人形とか、そういう話をみなさんもたくさん聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

その中にはもしかしたら、今回の体験談のように、自分のことを人間と間違えてしまう人形もいるのかもしれませんね。
人形関連の体験談、実は他のかたからも届くんです。
その中でもこのお便りは、Kさんの反応が良いですね。
そう、本当に怖い時って、人間、すぐ悲鳴は出せないものなんですよ。
こういう反応がリアルなのかなって思いましたね。僕は。
そうだな、僕だったら~、う~ん……まず自己紹介をしてしまうかもしれません。
よく言うでしょう、名前を尋ねるなら先ず自分から名乗れ、みたいな。
話が通じるタイプの霊なんだったら、名前もあったかもしれませんね。

それでは、今夜はこのへんで。
悪夢を見たら教えてくださいね。
おやすみなさい。