【地元】茨城県神来市について語るスレ【田舎】

二〇一四年八月八日

今日は、自然と目が覚めた。窓の外からは、今日も変わらずアブラゼミの単調な鳴き声が聞こえていた。

朝食はトーストと目玉焼き、冷たい牛乳。パンの表面は薄い茶色に焦げていて、バターが塗ってあった。

昼食は、予定通り駅前の洋食店『まるや』へ行った。外に出ると強烈な日差しと熱気。風はほとんどなく、空気は重く湿っていた。アスファルトの路面は高温になっていて、サンダル越しに足の裏へ熱が伝わってくる。すれ違う人はおらず、どこかの庭先でホースから水が撒かれる音が聞こえるだけだった。

シャッターが下りている店舗が目立つ商店街の中で、『まるや』の看板は昔のままそこにあった。入り口の横のガラスケースには、日に焼けて色褪せた食品模型が見えた。
ガラス戸を開けて店内に入ると、外の猛暑が嘘のように強い冷房の冷気が体に当たった。炒めた玉ねぎの甘い匂い、肉を焼く香ばしい匂い、複数の香辛料が合わさった特有の匂いが満ちていて、胃袋が強く刺激された。

メニューを開くことなく、名物の「豚肉の香辛料焼き定食」を注文した。
白い平皿に、分厚い豚の肩ロース肉が二枚。濃い茶色のソースで覆われ、粗挽きの黒胡椒が大量に振りかけられている。付け合わせは千切りキャベツとマカロニサラダ。それに白いご飯と豆腐の味噌汁。

豚肉はとても柔らかく、簡単に噛み切れた。噛み締めた瞬間、熱い脂と旨味が溢れ出し、黒胡椒の鋭い辛味と、ニンニクや生姜の効いた甘辛いソースの味が舌の上を占拠した。学生時代に食べていた記憶の中の味と全く同じで、深い満足感を覚えた。
濃い味付けの肉の後に白いご飯をかき込むと、口の中で程よく中和される。冷房の効いた店内にいるのに、香辛料のおかげで額からじんわりと汗がにじんだ。冷たい水を飲みながら最後の一切れまで食べ終えると、心が完全に満たされた。これほど充実した昼食は久しぶりだった。

満腹感のおかげで、帰りの日差しの中も足取りは軽かった。実家に戻ってから、居間の扇風機の前で深い昼寝をした。
昼食の量が多かったため、夕食は冷やしトマトと少しの素麺だけで済ませた。

二〇一四年八月九日

昨晩は少し寝苦しかったが、朝は窓を開けるとわずかに涼しい風が入ってきた。

午前中は居間でテレビを見て過ごした。テレビを見ながら、涼しい室内で冷たい麦茶を飲んでいた。朝のニュースでは帰省ラッシュの渋滞や猛暑の報道が繰り返されていたが、今の自分とは関係がなかった。

昼食は、スーパーの惣菜のコロッケと白いご飯。衣は少し湿気を吸って柔らかくなっていたが、中のジャガイモは甘く、ソースを多めにかけると白米によく合った。

午後は自室で、高校時代に使っていた古い天体望遠鏡の手入れをした。特に星を見る予定はないが、目に付いたので引っ張り出した。筒の埃を雑巾で拭き、レンズを磨く。接眼レンズを覗き込み、ピントを合わせるダイヤルを回して遠くの景色を鮮明にしていく。その単純な機械的な操作が心地よく感じられた。

夕方、庭の植物に水をまいた。細かい水が乾いた土に染み込む際、土が熱気を発する特有の匂いが立ち昇った。
夕食は、豚肉とピーマンの細切り炒め。オイスターソースの濃い味付けが食欲をそそる。

二〇一四年八月十日

今日は朝から雲一つない青空が広がっていた。

朝食後、歩いて二十分ほどの大型書店へ行った。道沿いの水田は稲の背丈がさらに伸びているように見え、用水路を流れる水の音が際立って聞こえた。
書店の中は冷房が強く効いていて、紙とインクの匂いが満ちていた。特に欲しい本があったわけではないが、背表紙の文字を順番に目で追っていく行為が頭を空にしてくれた。建築物の写真が多く載っている雑誌を二冊買って店を出た。

帰る途中、急激に空の様子が変化した。厚い黒雲が太陽を遮り、風の温度が下がった。家まであと少しのところで大粒の雨が降り出し、すぐに視界が白くかすむほどの豪雨になった。走って玄関へ飛び込んだ。服は濡れてしまったが、冷たい雨水は火照った体に少し気持ちよかった。外からは雷の低く重い音が聞こえ、窓ガラスをわずかに揺らしていた。

昼食は、雨音を聞きながら温かい肉うどんを食べた。甘辛い牛肉とネギがたっぷりと乗っていて、カツオ出汁の香りが鼻腔を満たした。
午後は縁側の近くで、買ってきた雑誌をめくりながら過ごした。雨は二時間ほどで上がり、開け放たれた窓からは雨上がりの土の匂いを含んだ涼しい風が入ってきた。

夕食はサンマの塩焼き、大根おろし、冷奴。サンマの皮はパリパリに焦げていて、箸を入れると脂が染み出す。醤油を垂らした大根おろしと一緒に食べると、苦味と脂の甘みが合わさって非常に美味しかった。

二〇一四年八月十一日

昨日の夕立のおかげか、今朝は空気が澄んでいた。

午前中は二階の廊下と階段の雑巾がけをした。濡らして固く絞った雑巾で、床板を拭いていった。その労働の後の冷たい麦茶は、水が体の隅々にまで浸透していく感じがした。

昼食はオムライス。薄く焼かれた卵焼きの中に、鶏肉と玉ねぎのケチャップライス。とても美味しかった。

午後はソファーでテレビのドキュメンタリー番組を見ていた。内容は台風の発生。
おやつに冷えた桃を食べた。淡いピンク色と黄色の果肉から甘い香りがしていた。果肉は非常に柔らかく、口に入れると強い甘みとともにたっぷりの果汁が喉を潤していった。

夕方、ヒグラシの鳴き声が聞こえる中を少しだけ散歩した。各家庭の窓から明かりが漏れ、夕食の準備をする匂いがあちこちから流れてきた。

夕食は、鶏肉の唐揚げ、ポテトサラダ、ワカメの味噌汁。片栗粉の衣はサクサクとしていて、熱い肉汁に気をつけながら白米と交互に食べた。

二〇一四年八月十二日

世間では今日からお盆休みの期間だ。

午前中、仏壇の掃除を手伝った。埃を払い、台座を拭き、真鍮製の花立や香炉を磨き粉で擦って綺麗にした。新しいお供え物として、落雁と丸いメロンが置かれた。線香に火を点けると、白檀の香りが室内に広がっていった。お盆という特別な期間が始まったことを実感した。

昼食は冷たい蕎麦だった。ネギとワサビを薬味にしてすする。蕎麦の香りが鼻を抜け、冷たい食感が喉を通り過ぎる。さっぱりとしていて夏の昼食として申し分なかった。

午後は自室のベッドで、この前買った建築雑誌を眺めた。写真の中の静謐な空間を想像しながらページをめくると、さらに心が落ち着いた。

夕食はカレイの煮付け、インゲンの胡麻和え、ご飯と豆腐の味噌汁。カレイの身は白くふっくらとしていて、醤油と砂糖の甘辛い煮汁がよく染み込んでいる。煮汁を絡めて口に入れると、魚の旨味と甘さが白米を進ませた。
食後に入った風呂は適度な温度で、体の芯まで温まった。

今日も平穏な一日だった。明日はいよいよお盆の入りだ。

二〇一四年八月十三日

お盆の入りだ。

午前中は、昨日掃除した仏壇に新しい花を飾るのを手伝った。紫と白を中心とした生花が生けられると、仏壇の周囲がより一層厳かな雰囲気に包まれた。
昼食はミートソーススパゲッティ。挽肉とトマトの酸味を効かせたソースが麺によく絡んでいた。

午後から夕方にかけては、居間の扇風機の前で高校野球の中継を見ていた。画面の中の炎天下の熱気とは対照的に、部屋は涼しく、穏やかだと感じられた。

夕方、周囲が薄暗くなった頃、迎え火を焚くために玄関の外へ出た。素焼きの皿の上でおがらに火をつける。周囲の家々からも、同じように迎え火の煙が上がっているのが見えた。おがらが黒い炭に変わるのを見届けてから家の中に戻った。

夕食はお盆ということもあり、出前の寿司だった。マグロの握りをつまんで口に運ぶと、酢飯のほどよい酸味と新鮮な魚の旨味が広がる。イカは歯ごたえがあり、噛むほどに甘みが出た。エビの茹でられた身はプリプリとしていた。家族で寿司桶を囲み、温かい緑茶を飲みながらゆっくりと食事を楽しんだ。