ルックアットミー

グッとビーカーへ体を近づける。
真っ白に変化していく花はビーカーの中で微かに震えているように見えた。
「前田さん、近づいたら危ないよ」
同じ班の男子生徒の声が聞こえてくる。
私はコクリを頷いたあと、思いっきり息を吸い込んだ。

☆☆☆

私はガスを吸い込んではいなかった。
マスクの下で息を止めて、それっぽく見せただけだった。
その場に倒れた私を見て沢山の生徒たちが悲鳴を上げ、先生がかけつけてきた。
「前田、大丈夫か!?」
「早紀ちゃん、大丈夫!?」
先生と、千鶴ちゃんの声が聞こえてきたけれど目を開けなかった。
「大変やん! 救急車呼ぶ!?」
少し離れた場所から真弓ちゃんの声も聞こえた。