ルックアットミー

私は何度も頷き、自分の両手で体を抱きしめて身震いをした。
「たぶん、食べ物の匂いに反応したんだと思う。犬は最初に私の足にしがみついてきて、驚いて尻もちをついちゃったの。その時犬が目に爪を立ててきて……」
「うわぁ、痛そう……」
千鶴が顔をしかめてうつむいた。
「それで、飼い主は?」
「コンビニで買い物してた男の人がすぐに飛んできたよ。それから救急車を呼んでくれて、大変だった」
「犬は? 犬はどうなったん?」
真弓は体を前に乗り出してきて質問を繰り返す。
結構話好きなタイプなのかもしれない。
「その後犬がどうなったのかはわからないけれど、もしかしたら保健所に連れていかれたのかもしれない」