ルックアットミー

でもなんだか胸の辺りに嫌な感じが広がっていくんだ。
私はその形容しがたい感情を持てあまして布団の中で下唇を噛みしめた。

☆☆☆

翌日1年A組の教室へ入るとすでに根本明美は登校してきていて、クラスメート5、6人に囲まれていた。
他のみんなは大きな声で笑ったりしゃべったりしているけれど、根本明美の声だけは鈴の音のように心地よく響く。
けれど決して弱くて消えてしまいそうな声ではなく、どこまでも響いて聞こえそうな不思議な声音だ。
自然と、聞くともなしに根本明美の声に耳を傾けてしまう。
「私、今は学校の寮に暮らしているの」
「そうなんだ! じゃあ実家は遠いの?」
「少しね」