ルックアットミー

この辺りに暮らしている子たちは大抵同じ進路をたどる。
大学はひとつしかないから、一旦離れ離れになってもそこでまた再開する子も少なくないみたいだ。
昼間から分厚いカーテンがひかれた室内は薄暗かったけれど、電気もつけずにベッドにカバンを投げ出した。
勉強道具一式を置いて帰ることができない学校だから、入学早々から肩こりに悩まされている。
「あら早紀、帰ってたの」
部屋の前を通ったお母さんがノックもなくドアを開けた。
「今帰ったところ。お母さんこそ、家にいたんだ」
ファッション誌の編集者として働いているお母さんは日々忙しくて休日だってあるのかないのかわからないくらい動き回っている。