ルックアットミー

ちなみに私が見ているのはクラスで平均的な子で、今も平均値を守って一定のペースで走っている。
決して前には出ず、だけど遅れを取るわけでもない子。
きっとこの子が本気を出せば先頭の根本明美を追い越すんじゃないかと思うけれど、そうなる前に終了の笛が鳴り響いた。
走っていたメンバーがその場に立ち止まり膝に両手をついて大きく呼吸をしたり、苦しそうな表情で喘いだりしている。
そんな中、先頭を走っていた根本明美は涼しい顔をしてジャージのそでで額の汗をぬぐった。
「根本さんすごいわね。今年の1年生の中で新記録よ」
先生の言葉にクラスメート全員がワッと湧き上がった。
「あなた陸上部に入るつもりはある?」