ルックアットミー

あれを削除しなければ、私の幸せな生活が崩壊してしまう。
「どうして逃げようとするの? 私のスマホはここにあるよ?」
明美が見透かしたようにスカートのポケットからスマホを取り出す。
私は右手に持たれたそれを凝視した。
どうやったら奪い取ることができるだろう?
明美はさっきからヘラヘラ笑っていてスマホを守っているようには見えない。
タックルして、奪い取れるかもしれない。
「この中にある写真を流出させたら、早紀ちゃんどうなるかな? 退学? せっかく愛され始めたみたいだけれど、両親からもまた冷たくされるのかな」
クスクスと笑い声がもれる。
体の奥の方から熱い怒りが込み上げてくるのを感じた。