ルックアットミー

千鶴ちゃんまですごーいなんて、小さな声で言っているから増々胸に澱が溜まっていくのを感じてしまう。
私はなにも聞こえないふりをして視線をそらし、自分のストレッチに専念した。

☆☆☆

「あと5分!」
クラスの半分に別れてスタートした持久走では、半分が走り、半分がペアになった子が何キロ地点まで走ったかを集計してくれている。
先生のあと5分という声に走っているメンバーが少しだけ速度を上げたのがわかった。
土埃が舞うグラウンドで、先に走るメンバーに入った千鶴は一周遅れている。
それでも立ち止まることなく走り続けている姿に、千鶴の距離を集計している真弓が少し感動しているのが横目でわかった。