ルックアットミー

「なにしてるの。あんた狂暴なんでしょう? 噛んで来なさいよ」
さっきから威嚇ばかりを繰り返す犬の鼻先を棒で叩きつけた。
細い棒はすぐに折れて犬がワッととびかかってくる。
咄嗟に左腕を差し出した後、激痛が走り抜けた。
犬がうなり声を上げたまま私の左腕に噛みついている。
すぐに離そうとはせず、こっちに鋭い視線を向けたまま噛み続けている。
時折首を左右に振るものだから、牙がどんどん食い込んでいくのがわかる。
「キャアアア!!」
たまらず大声で叫んだ。
一通りの少ない道といえど、今は通勤通学時間だ。
数人のサラリーマンや同じ制服を来た女子生徒が気が付けこちらへ駆け寄ってきた。