──その日は三徹明けでいつにもましてふらふらだった。さすがに今日はアパートに帰って少しでも寝ないとと、立ち上がると同時に、なにを思ったのか実験機器の強制終了ボタンをおもむろにポチッとしてしまったのである。
嘘だろ、と絶句した。そのとき行っていた実験は、一年かけて同じデータを取り続ける代物で、一度終了させたらまた最初から始めなければならないというやっかいな物だった。
一瞬自分がなにをしたのかわからず、しばらく凍りつき、慌てて電源を立ち上げたが遅かった。電源が落ちていた間、数秒のデータは当然ながら記録されておらず、空白が開いてしまっている。
共同研究をしていた仲間たちは誰も愛子を責めず、『そんなこともある、早く帰って寝たほうがいい』と逆に心配されてしまったが(そしてその数ヶ月後に過労死したので仲間たちの懸念もさもありなんだったのだが)、あのときの落ち込みは過去いちだったと記憶している。
いっそ責めてくれ。『お前のせいで数ヶ月蓄積してきた研究がぱあだ』となじってくれ! と枕を涙で濡らし続けたのも記憶に新しい──。
嘘だろ、と絶句した。そのとき行っていた実験は、一年かけて同じデータを取り続ける代物で、一度終了させたらまた最初から始めなければならないというやっかいな物だった。
一瞬自分がなにをしたのかわからず、しばらく凍りつき、慌てて電源を立ち上げたが遅かった。電源が落ちていた間、数秒のデータは当然ながら記録されておらず、空白が開いてしまっている。
共同研究をしていた仲間たちは誰も愛子を責めず、『そんなこともある、早く帰って寝たほうがいい』と逆に心配されてしまったが(そしてその数ヶ月後に過労死したので仲間たちの懸念もさもありなんだったのだが)、あのときの落ち込みは過去いちだったと記憶している。
いっそ責めてくれ。『お前のせいで数ヶ月蓄積してきた研究がぱあだ』となじってくれ! と枕を涙で濡らし続けたのも記憶に新しい──。



