「もうっ……元気出しなさいよ! いつまでくよくよしてんのよ!」
「うん……」
厨の中である。
今にも倒れそうな顔で卓子につっぷし、しくしくと泣き声をあげているのは香鈴だ。
揚げたての麻花もそっちのけで彼女の肩を抱き、必死に慰めている雪梅は柳眉を逆立てた。
「あのねえ! あんたのせいじゃないって冥焔様も言っていたでしょう? いっつまでもぐじぐじぐじぐじ、蛞蝓みたいに落ち込むのはやめなさい!」
「でも……わ、私のせいで……瑛琳様を危ない目に遭わせるとこだったから……! もう馬鹿、信じらんない。自分で自分が許せないよ……っ」
ついに顔を覆い声をあげて号泣し始めた香鈴を抱え、雪梅は途方に暮れた顔で麗麗を見上げた。
『なんとかしてよ!』と内心の声が聞こえる目線に、麗麗の視線が泳ぐ。
(いやいやいや、無理だって……!)
前世では、泣く子をさらに泣かせることで(一部から)有名だった麗麗である。気の利いた言葉なんて言えやしないし、自信もない。
今回の件、香鈴に落ち度がないのは明白である。なんとか立ち直ってもらいたいものだが、数日経った今でもこのありさまだ。
かろうじて瑛琳妃の前では平静を保っているようだが、女官だけになった途端涙に溺れる香鈴は、目の下の隈といい顔色の悪さといい、ひどいありさまだった。
瑛琳妃を自分の手で窮地に陥れるところだった彼女の気持ちは想像するだに痛ましい。おそらくは夜もずっと眠れていないのだろう。
(まーじで、みんなにばれちゃったのがよくなかったんだよなあ)
「うん……」
厨の中である。
今にも倒れそうな顔で卓子につっぷし、しくしくと泣き声をあげているのは香鈴だ。
揚げたての麻花もそっちのけで彼女の肩を抱き、必死に慰めている雪梅は柳眉を逆立てた。
「あのねえ! あんたのせいじゃないって冥焔様も言っていたでしょう? いっつまでもぐじぐじぐじぐじ、蛞蝓みたいに落ち込むのはやめなさい!」
「でも……わ、私のせいで……瑛琳様を危ない目に遭わせるとこだったから……! もう馬鹿、信じらんない。自分で自分が許せないよ……っ」
ついに顔を覆い声をあげて号泣し始めた香鈴を抱え、雪梅は途方に暮れた顔で麗麗を見上げた。
『なんとかしてよ!』と内心の声が聞こえる目線に、麗麗の視線が泳ぐ。
(いやいやいや、無理だって……!)
前世では、泣く子をさらに泣かせることで(一部から)有名だった麗麗である。気の利いた言葉なんて言えやしないし、自信もない。
今回の件、香鈴に落ち度がないのは明白である。なんとか立ち直ってもらいたいものだが、数日経った今でもこのありさまだ。
かろうじて瑛琳妃の前では平静を保っているようだが、女官だけになった途端涙に溺れる香鈴は、目の下の隈といい顔色の悪さといい、ひどいありさまだった。
瑛琳妃を自分の手で窮地に陥れるところだった彼女の気持ちは想像するだに痛ましい。おそらくは夜もずっと眠れていないのだろう。
(まーじで、みんなにばれちゃったのがよくなかったんだよなあ)



