「キーンコーンカーンコーン……」
今度は5時間目が始まる本鈴が鳴る。とは言ってもすぐに授業は始まらなくて、先生が来るまでと話を続けている人達も多い。
ギリギリ遅刻せず、間に合う程度に戻れてきた私は、自分の席に着いた。
がやがやとまだ騒がしい中で、私に近付いてくる人はいない。クラスの中心グループやギャルグループは当たり前に、地味グループと呼ばれる人達だってやって来ない。
いることに気付かなかったーと言わんばかりに、無視するか。大抵は聞こえるか聞こえない音量で悪口を呟く。日頃のストレスを発散するかのような、憂さ晴らしを兼ねた悪口は、授業が始まるまで終わらない。
「あーあ。花子が戻って来たわ」
「トイレの花子なんだから、ずっとトイレにいればいいのに」
「ってかあいつがいると、雰囲気辛気臭いのよね。後トイレ臭いし」
「マジキモ」
聞こえていないふりをしながら、ゆっくりゆっくりと授業の準備をする。どんどんと負の感情が大きくなってくるのを感じながら。
――私がこう言われるのにも、無理もない部分があった。
両目が完全に隠れた長い前髪に、お尻に届きそうな長い黒髪。背も低く、見た目の容姿が完全幽霊なことに加えて、名前が鈴樹花であること。
そして昼休みにトイレに籠っていると、クラスの男子に見られたことが、トイレの花子さんと呼ばれるに決定打となった。
こんな見た目と呼び名を付けられては、話は瞬く間に広がり、今やクラスだけでなく学年皆が知っている。
私が歩けば、不快そうに避けられる。
私を見れば、嘲笑的な表情を向けられる。
学校に居場所はない。現に席だって窓側なのに、壁の方に追いやられていて、壁に付きそうになっている。前後、左の席の子は故意的に離れていて、周囲に不自然な空間が出来ていた。
3分程遅れて、やっと先生がやって来る。
「席に着いてー。始めるわよ」
ここでようやく騒がしさが収まり、現国の授業が始まった。
一時的に悪意の的から外れる。でも授業内容なんて入ってこなくて。どうやったら消えれるんだろう? と、そればかりを考えていた。
今度は5時間目が始まる本鈴が鳴る。とは言ってもすぐに授業は始まらなくて、先生が来るまでと話を続けている人達も多い。
ギリギリ遅刻せず、間に合う程度に戻れてきた私は、自分の席に着いた。
がやがやとまだ騒がしい中で、私に近付いてくる人はいない。クラスの中心グループやギャルグループは当たり前に、地味グループと呼ばれる人達だってやって来ない。
いることに気付かなかったーと言わんばかりに、無視するか。大抵は聞こえるか聞こえない音量で悪口を呟く。日頃のストレスを発散するかのような、憂さ晴らしを兼ねた悪口は、授業が始まるまで終わらない。
「あーあ。花子が戻って来たわ」
「トイレの花子なんだから、ずっとトイレにいればいいのに」
「ってかあいつがいると、雰囲気辛気臭いのよね。後トイレ臭いし」
「マジキモ」
聞こえていないふりをしながら、ゆっくりゆっくりと授業の準備をする。どんどんと負の感情が大きくなってくるのを感じながら。
――私がこう言われるのにも、無理もない部分があった。
両目が完全に隠れた長い前髪に、お尻に届きそうな長い黒髪。背も低く、見た目の容姿が完全幽霊なことに加えて、名前が鈴樹花であること。
そして昼休みにトイレに籠っていると、クラスの男子に見られたことが、トイレの花子さんと呼ばれるに決定打となった。
こんな見た目と呼び名を付けられては、話は瞬く間に広がり、今やクラスだけでなく学年皆が知っている。
私が歩けば、不快そうに避けられる。
私を見れば、嘲笑的な表情を向けられる。
学校に居場所はない。現に席だって窓側なのに、壁の方に追いやられていて、壁に付きそうになっている。前後、左の席の子は故意的に離れていて、周囲に不自然な空間が出来ていた。
3分程遅れて、やっと先生がやって来る。
「席に着いてー。始めるわよ」
ここでようやく騒がしさが収まり、現国の授業が始まった。
一時的に悪意の的から外れる。でも授業内容なんて入ってこなくて。どうやったら消えれるんだろう? と、そればかりを考えていた。

