それから少しだけ日をおいて、月宵宮に一通の手紙が届けられた。
差出人は、隣国泉国公主にして東宮妃、凛星様。
「櫻花、これを東宮妃の元へ届け」
薔薇姫様は、優雅に扇を広げながら私に命じた。
手紙の内容は、先日のお茶会の御礼状……ということになっているが、恐らくそれ以上の秘密が隠されているような気がする。
「間諜と疑われて捕まったら、助けてくれます?」
「さあな。お前の運が良ければ、面白い拾い物として評価を上げてやる」
私は溜息をつきながら、豪華な封筒を受け取った。
今の後宮は、まさに瓦解寸前。
皇后と丞相の実権を奪うための、静かな、けれど苛烈な戦い。
その最前線に、なぜか洗濯板を捨てたばかりの下女が立たされている。
「……まあ、いいですよ。後宮がホワイト企業になるなら」
「ほわ……なんだそれは」
私の独り言をいちいち拾い上げてくれた薔薇姫様が怪訝な顔をする。
「あ、故郷の訛りです~お気になさらず!」
私は覚悟を決め、東宮妃が待つ木蓮宮へと歩き出した。
差出人は、隣国泉国公主にして東宮妃、凛星様。
「櫻花、これを東宮妃の元へ届け」
薔薇姫様は、優雅に扇を広げながら私に命じた。
手紙の内容は、先日のお茶会の御礼状……ということになっているが、恐らくそれ以上の秘密が隠されているような気がする。
「間諜と疑われて捕まったら、助けてくれます?」
「さあな。お前の運が良ければ、面白い拾い物として評価を上げてやる」
私は溜息をつきながら、豪華な封筒を受け取った。
今の後宮は、まさに瓦解寸前。
皇后と丞相の実権を奪うための、静かな、けれど苛烈な戦い。
その最前線に、なぜか洗濯板を捨てたばかりの下女が立たされている。
「……まあ、いいですよ。後宮がホワイト企業になるなら」
「ほわ……なんだそれは」
私の独り言をいちいち拾い上げてくれた薔薇姫様が怪訝な顔をする。
「あ、故郷の訛りです~お気になさらず!」
私は覚悟を決め、東宮妃が待つ木蓮宮へと歩き出した。

