テーブルの上には、豪華な朝食が並んでいる。
私は無言で、一口ずつ口に運んでいく。
「……あ、これ美味しい。山芋の羹ですね。胃に優しそう。……こっちは少し、味が濃いかな。丞相派からの嫌がらせで塩を盛られてるのか、それとも単に料理人の匙加減?」
毒味という命がけの作業のはずが、私の食レポめいた独り言に、莉鷹様は呆れたように頬杖をついた。
「お前は本当に、死というものを恐れないな」
「前世、いえ、前の職場で死ぬほど働いた時に比べれば、美味しいものを食べて死ねるなら本望ですよ。……はい、これは安全です。どうぞ、主人様」
差し出された小皿を、莉鷹様は受け取らない。
代わりに、彼は椅子から身を乗り出し、私の顔をじっと見つめてきた。
「……お前が食べたものを、そのまま寄越せ」
「えっ、汚くないですか?」
「お前に拒否権はないと言ったはずだ。……それとも、昨夜の続きが必要か?」
顔面凶器が至近距離まで迫る。
昨夜の「借金は身体で支払え」という無理難題の重みが、じわじわと体温を上げていく。
私は諦めて、毒味をしたばかりの匙を、そのまま彼の唇へと運んだ。
莉鷹様は満足げにそれを食すと、私の耳元に唇を寄せた。
「……悪くない。お前という『道具』は、予想以上に私の口に合うようだ」
私は無言で、一口ずつ口に運んでいく。
「……あ、これ美味しい。山芋の羹ですね。胃に優しそう。……こっちは少し、味が濃いかな。丞相派からの嫌がらせで塩を盛られてるのか、それとも単に料理人の匙加減?」
毒味という命がけの作業のはずが、私の食レポめいた独り言に、莉鷹様は呆れたように頬杖をついた。
「お前は本当に、死というものを恐れないな」
「前世、いえ、前の職場で死ぬほど働いた時に比べれば、美味しいものを食べて死ねるなら本望ですよ。……はい、これは安全です。どうぞ、主人様」
差し出された小皿を、莉鷹様は受け取らない。
代わりに、彼は椅子から身を乗り出し、私の顔をじっと見つめてきた。
「……お前が食べたものを、そのまま寄越せ」
「えっ、汚くないですか?」
「お前に拒否権はないと言ったはずだ。……それとも、昨夜の続きが必要か?」
顔面凶器が至近距離まで迫る。
昨夜の「借金は身体で支払え」という無理難題の重みが、じわじわと体温を上げていく。
私は諦めて、毒味をしたばかりの匙を、そのまま彼の唇へと運んだ。
莉鷹様は満足げにそれを食すと、私の耳元に唇を寄せた。
「……悪くない。お前という『道具』は、予想以上に私の口に合うようだ」

